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ヘッドホンレビュー

【レビュー】Beyerdynamic DT880pro 兄弟機の中ではマイルド。ほどよく刺激的

今回はBeyerdynamic DT880pro をレビューします。

Beyerdynamic社のDT770,DT880,DT990の三兄弟の一つで、数字が大きいほど上位機種というわけではなくDT770:密閉型 DT880:セミオープン型 DT990:開放型 という違いです。

三兄弟では開放型のDT990が刺激的な音で最も売れ筋ですが、本機はその刺激的な傾向は受け継ぎつつ、ややマイルドになった聞きやすいバランス型の傾向と言われる製品です。

結論としては評判の通り刺激多少角が取れて耳に刺さりづらくなったよりバランスが良い製品で、万人にお勧めしやすいヘッドホンです。

三兄弟の中では唯一の金属製ハウジングで見た目も高級感があるので個人的に一押しのヘッドホンです。

Beyerdynamic DT880pro 製品スペック

メーカ:Beyerdynamic ベイヤーダイナミック
タイプ:ダイナミックセミオープン型
重量:約290g
インピーダンス:32 250 600Ω
感度:96dB
コード長:3.0m片出しストレートコード
参考価格:20000円

BeyerdynamicのDTシリーズの特徴として複数のインピーダンス(電気抵抗)のラインナップがあります。
32ΩはPCやオーディオプレーヤー直刺しでも鳴らせますが、250,600Ω品はアンプが必須なので注意が必要です。

外観はBeyerdynamicのDT770 DT990シリーズのプラスチッキーな外観で正直お世辞にもかっこ良いと言えませんでしたが、本機は金属メッシュのハウジングとなっており、三兄弟の中では圧倒的に質感が良いです。価格に見合う高級感があるので3兄弟の中では個人的に一押しです。

重量は290gと標準的で、金属部品を使用していますが、メッシュのため重量がかさむといったこともなく標準的な重量におさまっています。

コードは3mストレートコードです。コードは延長ケーブル式ではなく直脱不可の3mコードがやや長いのが欠点です。

なお本機はカールケーブル仕様も存在するようです。筆者が過去にレビューした兄弟機のDT770はカールケーブルですが、コードの取り回しが重たいので普段使い用にはストレートケーブルがおすすめです。

Beyerdynamic DT880pro 5段階音質レビュー 

音質 :★★★★★
装着感:★★★★☆(4.5)
遮音性:★★☆☆☆
音の傾向:フラット(やや高音寄り)
得意な音楽:万能
音場感(音の広がり):◎(最高レベル)

音質はBeyerdynimicのヘッドホンらしく量感のある低音と、若干シャリ付くものの、切れがある高音で全体的に迫力を感じさせる音作りです。。

ややドンシャリ傾向ですが、鳴り方としてはクリアで見晴らしの良く、高音にエッジが効いたモニターっぽい鳴り方です。HD598のような耳当たりの良いウォームな音とは異なる刺激的なサウンドです。

この刺激的な音がBeyerdynamic社の特色ですが、刺激がある分多少の聞き疲れはあります

HD598やK701のような優等生さはありませんが、多少ドンシャリしても聞きごたえがあり、わかりやすくこれは良い音質だ!と思えるヘッドホンなので、安価なヘッドホンからもう少し良いヘッドホンにステップアップしたい方にもおすすめです。

解像度は元々モニター的な用途も意識されている製品のためドライバ自体の実力は高く、解像度は十分です。かなり細かい音も拾ってくれるため、音の密度感は高いです。

音場については密閉型ほど狭くないものの、開放型ほど広くないというセミオープンヘッドホンの特性そのものという感じです。音の抜けと引き換えに低音の量感が増しています。

得意な音楽は万能型で、DT三兄弟の中では最も色々なジャンルを聴ける機種と思います。たた音としてはややドンシャリしていて元気がある傾向なので、ジャズ、クラシック等よりは比較的元気の良い曲の方がマッチします。

打ち込み系やEDMも、持ち前の解像度と刺激的な音でスピーカーで聞く時とは別格の迫力を感じられると思うのでお勧めです。(曲によっては聞き疲れを大いに感じさせる可能性はありますが)

ロックについてはHD598と聞き比べてみましたが、HD598の方がマッチするなーという印象です。DT880proも聞きごたえはあるものの、HD598のウォームな音質と、重心の低さがロック向きです。

音漏れは開放型のフルメッシュのヘッドホンと比べると盛大にもれませんが、密閉型ではないのでそれなりの音量で聞いていると漏れます。密閉型と違い周囲の音も多少は聞こえるので、家の人に呼ばれた時にも気付けるのがメリットです。

DTシリーズ3兄弟との比較

DT三兄弟との比較では、セミオープンということもあり、低音は密閉型のDT770proと比べるとやや抑えめで、かわりに音の見晴らしがややよくなったような印象です。かといって高音の切れはDT990proほどではないというような感じです。

他のレビューでも兄弟機の中ではややおとなしいとの感想が見られますが、筆者も同じ感想です。

DT770proは低音の迫力がある反面、長時間聞いているとやや聞き疲れしますが、本機は程よい刺激という印象で、三兄弟の中では最もゆったり音楽をリスニングするのに向いており、万能型に近い機種だと思います。

ほどほどの刺激を求めつつ、他の機種よりドンシャリ感を抑えたフラットな音質が欲しい場合は本機がベストチョイスです。

また上でも述べましたが、三兄弟の中では見た目の質感が圧倒的に良いので見た目を重視する方におすすめです。

(関連記事:DT770Pro(密閉型) レビュー記事)
【レビュー】Beyerdynamic DT770 pro 驚異の高音質ドンシャリサウンド

Beyerdynamic DT880pro 装着感について


装着感は大きなイヤーカップが耳全体を覆うタイプで、耳にはパッドが当たらないため良好です。イヤーパッドのベロア調素材も心地よいです。
また側圧もきつくなく優しい付け心地なので長時間の視聴も快適です。欠点としては優しい付け心地ですがそこまで耳にフィットする感じではないので多少ズレが気になるところです。

Beyerdynamic DT880pro 良い点、悪い点

  • 良い点
    • 三兄弟の中では最もマイルドなバランスの良い音質
    • 解像度も良好でモニター的にも使える
    • DT三兄弟の中で唯一の金属ハウジングで質感良好
  • 悪い点
    • バランス型だが三兄弟の中では最も刺激に欠ける
    • コードが長く取り回しがやや不便

総評としては、音質はこの価格帯のヘッドホンの期待を裏切らないレベルです。兄弟機の中ではおとなしい傾向ですが、程よい刺激があるバランス型のヘッドホンが欲しい方に一押しです。また三兄弟の中では外観が良いのが個人的に◎です。

悪い点もコードの取り回し等些細なところのみで、音質、装着感ともに良好なので2万円前後でヘッドホンを探している方にお勧めです!

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