どせいです。今回はAKG K701を紹介します。言わずと知れたAKGの名作ヘッドホンで、AKGを代表するヘッドホンです。
価格帯としては2万円~のミドルクラスのヘッドホンですが、音にこだわる人が購入する価格帯でも高い評価を得てベストセラーになっています。
発売当時2006年の定価はなんと82800円と高価格でしたが、実売は3-4万円程度で売られていました。初代モデルは一旦販売終了しましたが、2019年の10月にK701-Y3にマイナーチェンジ後は価格も2万円程度と当時からするとかなりお求め安くなっており、抜群のコスパとなっています。
また本機にはK701,K702,K712proと派生機種がありますが、本記事では違いについて簡単に説明しています。
またAKGには絶版となったK501というヘッドホンがあり、K701の下位互換と思われがちですが、実は特性が全く異なるヘッドホンですので、違いについて説明しています。
K701 製品スペック 外観レビュー
メーカ | AKG |
---|---|
タイプ | ダイナミック開放型 |
重量 | 235g |
インピーダンス | 62Ω |
コード長 | 3m(取り外し不可) |
参考価格 | 20000円 |
金属部品が多く使われた見た目は高級感があり
、これぞハイエンドヘッドホンという期待感を感じさせる見た目となっています。ハウジング部にはReferrence headphonと銘打ってあり、AKGの自信を感じさせます。
構造は開放型で、イヤーカップがほぼ全面がアルミメッシュで非常に音の抜けが良い構造です。(そのため盛大に音漏れします)
ヘッドバンドは初代は頭頂部に凸凹があり、人によっては痛くなるという意見もありましたが、下の写真のように最新モデルでは凸凹は無くなり平らになっています。
重量は標準的で、特に重くもなく軽くもなくという感じですが、見た目の質感からすると思ったより軽めで、軽やかな付け心地です。
コードは3mコードで取り外し不可のタイプです。インピーダンスは62Ωと高すぎずでポータブルプレーヤーでも聞けなくはないですが、このレベルのヘッドホンにはヘッドホンアンプが欲しいところです。
AKGK701 5段階レビュー
音質 :★★★★☆
装着感:★★★★☆
遮音性:★★☆☆☆
音の傾向:フラット
得意な音楽:一通りOK(万能型)
音場感(音の広がり):○
コスパ:○
音質は癖のないフラットな音
ですがAKGがリファレンスとするだけあって素晴らしいく、特に中~高音の響きの美しさはAKGの得意とするところで文句なしです。高音も耳に響いてキンキンすることは無いです。
全体的には刺激があるというより、柔らかい聞き心地を重視した製品です。
AKGのヘッドホンは高音重視で低音が今ひとつと言われることもありますが、本機はAKGしてはかなりバランスを取りにいった印象で、低音もしっかり出ています。低音はあまりゴリゴリ出るという感じではありませんが、全体のバランスを崩さない程度に柔らかく響きます。
結果として上品目な音作りのイメージのあるAKGの中ではロックやポップス等、多くの人が聞くジャンルに最適化した印象です。
上記より元々定評のある中~高音に加えて低音も出るチューンのため、高レベルでバランス良くまとまっています。ジャンルを問わず一通りの音楽を十分楽しむことができます。良いヘッドホンを一台買って何でも聞きたい人におすすめです。
音場感も良好で、ハウジングの中に空間を感じさせてくれます。装着感は耳の中に十分なスペースが確保されるので耳が当たることが無く、構造上側圧も強くないため、メガネをかけている筆者のような人でも長時間つけられます。
得意な音楽はポップス、ロック、クラシックなんでもござれのバランスですが、柔らかい聞き心地ゆえ、打ち込みや、EDM等を聴くにはやや音のキレが不足する印象です。とは言え全体的にレベルの高いヘッドホンなのでどんな音楽でもいけます。
総評:AKGの上品な音と、程よい低音でバランス良し。音場感、装着感も文句ない優等生
- AKG得意の高音に加え、低音もしっかり出る万人受けするチューン
- 音場感、装着感も文句なし。見た目も○
- 優等生的でバランス良いがやや淡泊。柔らかい聞き心地の反面刺激は少ない
欠点を書こうにも優等生すぎて正直欠点らしい欠点がないヘッドホンですが、強いて言うならバランスの良さ故良くも悪くも音に刺激が不足し、やや淡泊なのが欠点でしょうか。
上品さが売りのAKGのヘッドホンにしてはロック等も十分楽しく聞けるバランスですが、音に刺激を求める方にはbeyerdynamic DT990等が迫力を前面に出してくるヘッドホンもおすすめです。
K701(Y3),K702,K712proの違い
この機種は派生機種としてK701(Y3)とK702,K712proがあります。
K701-Y3がK701の現行機種で、無印との違いは生産国がオーストリアから中国産に変わり、価格もお値打ちになりました。それ以外に差異はなく、音質的には同等です。
(中国産ですが見た目も特に安っぽくなったとかは無いです。)
K702も色が白から黒になっただけで、こちらも音質的には差異が無いので色が好みであればこちらを選べばOKです。
K712proだけはK701の上位機種に位置付けられており、音質にも若干のチューンが入っています。傾向としてはK701に不足気味な低音が厚みを増しており、比較的ロック等も聞ける味付けになっています。
また付属品もカールコードとキャリングケースが追加されていることからやや豪華仕様となっています。
K701とK501の比較
AKGの絶版となった名機K501と比べられることのある本機ですが、K701という響きからK501の上位互換と考えられがちですが、実は特性は全くの別物で、それぞれ良さがあります。ざっとまとめると
K701
・低音~高音までバランスが良い
・繊細さと柔らかい聞き心地を両立。
K501
・低音が明確に少ない、代わりに中音~高音重視
・とにかく繊細でクリアな音質。
という感じで、K701の方がバランス型に対し、K501は繊細な中~高音に特化しており、音質のクリアさで言うと実はK501の方が上という印象です。
どちらも素晴らしいヘッドホンなので聴き比べると明らかに違うことがわかるので面白いです。(K501は絶版で流通量が減っていますが)
特性としては尖っているK501ですがかつて名機と呼ばれただけにK501の音質のクリアさは抜きんでています。K501のレビューは下記をご覧ください。
【伝説の名機】 AKG K501【おすすめヘッドホンレビュー】
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