どせいです。
今回は最もコスパに優れたヘッドホンの価格帯と筆者が考える5000円~10000円程度のおすすめの有線ヘッドホン10選を紹介します。
この価格帯が最もコスパに優れる理由としては数千円台の安いヘッドホンに対し、五千円~一万円の優良ヘッドホンの音質は劇的に違いを見せてくれるからです。
というわけで一万円程度の予算でコスパ最高な有線ヘッドホンを探している方向けに、今まで100機種近くものヘッドホンを聞き比べてきたヘッドホンオタクが選ぶコスパに優れたおすすめヘッドホン10選を紹介していきます。
どれもロングセラーの定番品なので、自信を持っておすすめできるヘッドホンです!
1.DENON AH-D1100
DENON AH-D1100は大口径50mmのドライバが売りのヘッドホンです。こちらは定価20000円程のヘッドホンですが、ここ数年アマゾンや量販店では7000円を切る価格で販売されています。
そのため価格に対する音質の良さは特筆すべきものがあり、近年ではずっとアマゾンのヘッドホン売り上げランキング上位の常連です。
高コスパヘッドホンの定番とも言える機種で文句なくお勧めです!
AH-D1100 製品スペック
メーカ | DENON デノン |
---|---|
タイプ | オーバーイヤー密閉型 |
重量 | 189g |
インピーダンス | 32Ω |
コード長 | 1.3m(延長コード3.5m付属) |
参考価格 | 6300円 |
このヘッドホンは密閉型という周囲の音を遮断するタイプのヘッドホンなので周囲の音が大きい環境でも使えます。
ヘッドホンとしては軽量かつ折り畳みも可能なので、家での使用以外にも通常の通勤、通学用途にも向きます。
AH-D1100 5段階レビュー
音質 :★★★★☆
装着感:★★★☆☆(3.5)
遮音性:★★★☆☆
音の傾向:フラット、やや低音重視
得意な音楽:万能型
音場感 (音の広がり):普通
音質は癖が無く原音に忠実で、やや低音重視の音作りです。
フラットな音質でありながら、中~高音を邪魔しないほど良い迫力の低音で、リスニング用として程よい塩梅です。
音の解像度もこの価格帯では優れており、クリアな音です。
総合力ではこの価格帯では一つ抜けており、一万円以下で買えるヘッドホンとは思えないレベルの音質で筆者一押しのヘッドホンです。
欠点としては全体的にプラスチッキーでややチープな見た目ですが、音質を重視して余分なコストを省いたと解釈します。
なおプラスチッキーな半面軽量なので装着感は良好です。
総評:この価格帯では一つ抜けた音質。クリアで高解像度な音
- 音質、音の解像度共に一万円以下で買えるヘッドホンと思えないほど良好。
- 気持ち低音寄りだがバランスの良さと迫力を両立している
- 軽量なので付け心地も悪くない
定価が20000円するのに安売りされている理由はイヤーカップとヘッドバンドを接続する部品の耐久性に問題があったのが原因と言われていますが、現在は改良されたものが出回っています。(詳細は下記個別レビュー記事参照)
元値が高いだけあり、音質はこの価格ではひとつ抜けていると思います。
総評としてはこの価格帯でとにかくコスパに優れたヘッドホンを探している方にお勧めです。低音も程よく出るので、ロック等にも合う機種です!
(個別レビュー記事↓)
【レビュー】DENON AH-D1100 値崩れした高音質ヘッドホン
2.AUDIO TECHNICA ATH-AD500X
はオーディオテクニカの定番ヘッドホンです。発売後しばらく経つ製品ですが、こちらも長い間支持されているヘッドホンです。
オーディオテクニカのヘッドホンは高音域の美しさが特徴ですが、本機もその特徴が色濃く出ており、上品な音作りが好みの方におすすめです。
また筆者はメガネをかけていますが、ウイングサポートというオーテク独自のヘッドバンドにより、眼鏡をかけながら長時間使用でも快適な装着感が特徴です。
ATH-AD500X 製品スペック
メーカ | Audio technica オーディオテクニカ |
---|---|
タイプ | オーバーイヤー開放型 |
重量 | 235g |
インピーダンス | 48Ω |
コード長 | 3.0m |
参考価格 | 10000円 |
ATH-AD500Xは開放型に分類されるヘッドホンです。
開放型のヘッドホンは耳を覆うハウジングの部分が密閉されておらずオープンになっている(写真参照。ハウジングがメッシュ構造になっています)ため、広い音場感(音の広がり)と音の抜けの良さが特徴です。
反面、開放型の欠点としては構造上遮音性に乏しく、音漏れも激しいため、室内のリスニング向けです。
ATH-AD500X 5段階レビュー
音質 :★★★☆☆(3.5)
装着感:★★★★☆(4.5)
遮音性:★☆☆☆☆
音の傾向:中~高音重視
得意な音楽:ポップス クラシック
音場感 (音の広がり):良い
特徴としては高音域の美しさが際立つヘッドホンです。
ハウジングがアルミメッシュで、音の抜けが非常に良い構造で、音場感に優れます。
広い音場感に加えて中音~高音が良く出るので、クラシックの視聴などにも向きます。
本機は中音~高音が得意な反面、低音が不足していると言われますが、低音もナチュラルに出ています。
(ブーストされていない自然な低音という感じです)
また特徴としてウイングサポートという頭頂部付近をサポートする形状のヘッドバンドを採用しており、快適な付け心地が特徴です。長時間装着できるので映画やゲーミング用途にもお勧めです。
一方で全体的な味付けとしては上品よりで大人しく、ノリの良さや重低音を求める機種では無いためロック等をノリ良く聞きたい方には向かない機種です。
総評:中音~高音が得意。装着感も良いため映画やゲーミング用途にも
- 中音~高音の音質が得意でポップスやクラシックの視聴に向く。上品目だがロック等にはやや物足りない
- 総じて価格以上の音質かつ音場感に優れ、この価格帯のヘッドホンではコスパ◎
- 頭への圧迫感が少ない軽快な装着感。夏場でも比較的蒸れにくい。だだし構造上遮音性は無く、周囲に音漏れする
総評としては、音質、音場感、装着感どれもすばらしく、総合力の高いヘッドホンです。欠点としては低音が控えめですが、補って余りある上品な音と広い音場が魅力です。
音質的にも装着感的にも長時間つけても疲れないので、室内でゆっくり映画等視聴を視聴する方にもおすすめです!
(個別レビュー記事↓)
【レビュー】Audio Technica ATH-AD500X オーテク屈指の傑作!
3.AKG K240S(Studio)
AKG K240Sはオーストリアの老舗メーカーAKGのベストセラーヘッドホンです。AKGは上品で繊細な音に定評があるメーカです。筆者がヘッドホン沼に浸かった10年程前から定番として知られていました。
本機は10年前は一万数千円程度の価格でしたが、最近では6000円程度で購入できるため、アマゾンの価格を見て驚きました。
分類としてはスタジオ使用も想定したスタジオモニターヘッドホンで、原音に忠実な音を特徴とするヘッドホンです。
K240S 製品スペック
メーカ | AKG アーカーゲー |
---|---|
タイプ | オーバーイヤー開放型(セミオープン) |
重量 | 240g |
インピーダンス | 55Ω |
コード長 | 3.0m(着脱式) |
参考価格 | 7000円 |
このヘッドホンは開放型に分類されますが、セミオープンという半開放、半密閉という形式です。
セミオープンは完全開放型のATH-AD500Xに比べると開放感、音場感はほどほどになりますが、かわりに密閉型の特徴であるハウジング内の音響感や遮音性を高めています。
K240S 5段階レビュー
音質 :★★★★☆
装着感:★★★☆☆(3.5)
遮音性:★★☆☆☆
音の傾向:フラット やや高音重視
得意な音楽:万能型(ポップス クラシック)
音場感 (音の広がり):良い
音質としてはスタジオモニターヘッドホンと銘打っている通り、原音に忠実なフラットな特性です。
AKGのヘッドホン全般の特徴ですが、低音よりも高音域に寄せた音で、品のある上品な音が特徴です。
モニターヘッドホンゆえ、音の解像度が高く、細かい音が分離して聞こえてきます。
このヘッドホンも音質、解像度、音場感共に価格を考えるとかなり優秀と言えると思います。(元は一万円以上で売られていたので当然ですね)
高音寄りの開放型ヘッドホンという意味ではATH-AD500Xに近いですが、違いはATH-AD500Xはリスニング用でK240Sはモニター用という所です。
リスニングヘッドホンは聞きやすさを重視した柔らかい音であるのに対し、モニターヘッドホンは音の分解能を重視しており、長時間のリスニングでは音が耳に刺さるため聞き疲れを感じやすい傾向があります。
ただこのK240Sはモニター用の高い分解能を持ちながらもリスニング用としても使用できる聞きやすさを兼ね備えており、誰にでもお勧めできるヘッドホンです。
総評:AKGの名機。高い分解能と広い音場感が特徴
- モニター用と銘打っており高い分解能が特徴。音場感も良好
- 原音忠実なフラットな音で、癖が無くオールラウンド。どちらかというと上品な音
- AKGサウンドの入門機におすすめ
総評としては、価格を考えるとかなりコスパが良いです。音の傾向は上品目ですが、ポップスからクラシックまで何でも聞けます。
また黒ベースに金色が施された高級感を感じさせるデザインが所有欲を満たしてくれます。
今ならかつての半額程度の価格で購入可能なので、AKGの音作りを体感してみたい方に一押しです!
(個別レビュー記事↓)
【レビュー】AKG K240S コスパが高すぎる伝統の一品【おすすめヘッドホン】
4.SHURE SRH440
SHURE SRH440はスタジオモニターヘッドホンに分類され、スタジオでの使用も想定されているヘッドホンです。そのため、音の解像度が高く、原音に忠実な音が特徴です。
こちらも音質的にコスパに優れた製品ですが、中音域のボーカルが際立って綺麗に聞こえるので、ボーカル物の曲を聞く方に特にお勧めできるヘッドホンです。(ボーカルホンと呼ばれることもあります)
SHURE SRH440 製品スペック
メーカ | SHURE シュアー |
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タイプ | オーバーイヤー密閉型 |
重量 | 311g |
インピーダンス | 44Ω |
コード長 | 1.2m(カールコード) |
参考価格 | 9980円 |
SRH-440も密閉型で周囲の音をシャットアウトするタイプです。コンパクトに折り畳みが可能です。
コードはカールコードなのでやや取り回しが悪く、ポータブル用途ではコードの重みが気になるかも知れません。基本は室内用と考えた方が良いです。
SRH440 5段階レビュー
音質 :★★★☆☆(3.5)
装着感:★★★★☆
遮音性:★★★☆☆(3.5)
音の傾向:フラット
得意な音楽:万能型(特にボーカル曲が◎)
音場感 (音の広がり):普通
SHUREというと高級イヤホンが有名ですが、ヘッドホンもラインナップしてほしいとの声に答える形で発売されたため、期待は大きいものでしたが、期待を裏切らず好評を博しています。
モニターヘッドホンだけあり音の解像度が高く、普段スピーカーから音楽を視聴している場合、実はこんな音も鳴っていたのかという発見があるかも知れません。
音のバランスが良く、万人にお勧めですが、特筆すべきは中音域が艶やかさで、特にボーカルが際立ってよく聞こえるためポップスを良く聞く方にお勧めです。
一方低音は気持ち抑え気味という印象ですが、低音を重視したい方でなければ特に物足りなさは感じないレベルです。
また装着感も良好で、長時間付けていても問題無しです。
総評:原音に忠実なオールラウンダー。特にボーカルが際立つ。ゲーミング用途も〇
- ボーカルが際立って聞こえてくるのでポップスに最適
- モニターヘッドホンゆえ音の解像度が高い
- 装着感良好で長時間付けていられる。ゲーミング用途にもおすすめ
総評としてはポップスが特にお勧めですが、オールラウンドになんでも聞けるヘッドホンなので、ジャンルを問わないのもおすすめポイントです!
(個別レビュー記事↓)
【レビュー】SRURE SRH440 とにかくボーカルが際立つ!ヘッドホン
5.Creative Aurvana Live!(アルバナライブ)
Creative Aurvana Live!です。Creativeというメーカにあまりなじみが無い方もいるかと思いますが、オーディオ分野に安価ながら優れた製品を発売し続けており、実績は十分のメーカです。
本品もコスパの良さで知られており、10年以上支持される定番ヘッドホンです。
アルバナライブ 製品スペック
メーカ | Creative クリエイティブ |
---|---|
タイプ | オーバーイヤー密閉型 |
重量 | 210g |
インピーダンス | 32Ω |
コード長 | 1.2m |
参考価格 | 5000円 |
密閉型ヘッドホンなので、それなりに周囲の音を遮断します。重量も軽量で小型なのでポータブル用途も使用可能です。
価格が安いこともあり外観はややプラスチッキーですが、210gという軽量さもあり、快適な装着感になっています。
アルバナライブ 5段階レビュー
音質 :★★★☆☆(3.5)
装着感:★★★★☆
遮音性:★★★☆☆
音の傾向:フラット
得意な音楽:万能型(ポップス ロック)
音場感(音の広がり):普通
音質は価格を考えてしまうと★3か…とも思ってしまいましたが、価格のバイアス抜きで評価した結果★3.5としました。フラットな音質とクリアで高解像度な音質は価格を考えると侮れないものがあります。
多少高音のシャリつきはありますが、低価格ヘッドホンにありがちなドンシャリというほどではなく、原音忠実、かつ少し刺激を入れた程よいバランスで適度な元気の良さがあります。
基本的には原音忠実なのでジャンルを問わず万能的に聞けるヘッドホンですが、密閉型のヘッドホンらしい、ほどよい低音の音響感ポップスやロックなどを元気に楽しく聞けるヘッドホンです。
音の分解能については、多少の籠り感はあるののの価格を考えると悪くないです。欠点としては密閉型の割に外の音は結構拾うため、騒音の大きい環境での使用はやや厳しいです。
総評:安価ながらバランス良い。ほどよい刺激のある音楽を楽しめる
- コスパヘッドホンの定番。ヘッドホン入門におすすめ。
- フラットな音質ながらほどよい刺激があり、楽しく聞ける
- 軽量で装着感も○。
総評としてはクラシックを最高の音で楽しみたいというような用途でなければ、何でも聞けるオールラウンダーなヘッドホンです。
コスパは最高レベルですので、5000円程度で音質の良いヘッドホンをお探しの方に一押しです。
(個別レビュー記事↓)
【レビュー】Creative Aurvana Live! 安価ながら本格派の音!コスパ最高レベルのヘッドホン
6.Audio technica ATH-AVA500
Audiotechnica ATH-AVA500は上で紹介したATH-AD500Xの弟分にあたるヘッドホンです。こちらはより価格は抑えた後発品ですが、音の傾向も若干異なります。
ただ安いだけではなく、よりバランスの良い音にチューニングされた、コスパに優れるヘッドホンです。
Audio technica ATH-AVA500 製品スペック
メーカ | Audio technica オーディオテクニカ |
---|---|
タイプ | ダイナミック開放型 |
重量 | 約275g |
インピーダンス | 35Ω |
コード長 | 3.5m片出しストレートコード |
参考価格 | 6000円 |
ハニカム形状(6角)パンチが売りの開放型ヘッドホンです。比較的安価ながら金属製ハニカムメッシュの高級感は中々です。開放型なのでこちらは室内用です。
ATH-AD500Xは上述ウイングサポートで頭を包み込む方式でしたが、こちらは通常のヘッドバンドで、コストダウンの形跡を感じます。
装着感はイヤーパッドが耳の上に乗る形なので、フィット感は悪くないですが眼鏡をしていると長時間の視聴は耳が痛くなるので、眼鏡をかけている方はATH-AD500Xがおすすめです。
Audio technica ATH-AVA500 5段階レビュー
音質 :★★★☆☆
装着感:★★★☆☆
遮音性:★☆☆☆☆
音の傾向:フラット(やや高音寄り)
得意な音楽:万能
音場感(音の広がり):○
音の傾向はATH-AD500Xは中~高音寄りだったのに対し、こちらは低音も程よく出るようになったバランス型です。低音が出るようになりながら、高音のクリアな音は健在で、フラットな音が好みの方にはこちらがおすすめです。
音場感もATH-AD500X同様良好で、この価格でここまでの音場感を感じさせてくれるヘッドホンは中々無いです。
ATH-AD500Xに対しては音の解像度はやや劣るので、やや音の輪郭がぼける印象があります。また装着感もウイングサポートのATH-AD500Xとくらべるとややイマイチです。
ただしATH-AD500X(約10000円)に対し、こちらは6000円程で買えるので、価格以上の音質、音場感を兼ね備えたコスパに優れたヘッドホンです。
総評:価格以上の良好な音質、音場感も相まってかなりのコスパ。装着感が惜しい
- 低価格ながらクリアな音質。音場感もこの価格では優れる。コスパ◎
- ATH-AD500Xに不足気味な低音も程よく出るバランスの良さ
- 解像度、装着感はATH-AD500より劣る
総評としては安価ながら音質、音場ともに優秀で、見た目も中々高級感があり、コスパの高さは随一です。
価格以上の良い買い物をした満足感を感じさせてくれるヘッドホンで、装着感のみが惜しいですが、ヘッドホン初心者にも一押しです。
(個別レビュー記事↓)
【レビュー】Audio technica ATH-AVA500 値段以上の価値あり!【コスパ良し】
7.Audio technica ATH-M20X
またまたAudio-technicaですが、このヘッドホンもモニターヘッドホンの定番品でアマゾンでもランキング上位で、アマゾン専用モデルが存在する定番モデルです。
低価格帯のヘッドホンでは原音から外れてしまいがちな製品が多い中、本機はこの価格帯ではトップクラスに原音忠実なヘッドホンで、予算を抑えつつ、かつフラットで音質が良いモニターヘッドホンが欲しい方に一押しです。
モニターヘッドホンって何?という方は下記ヘッドホンの選び方の記事で説明していますので下記記事をどうぞ!
【決定版】ヘッドホンの選び方 ヘッドホンに詳しくなりたい人(初心者)向け
Audio-technica ATH-M20x 製品スペック
メーカ | audio-technica オーディオテクニカ |
---|---|
タイプ | ダイナミック密閉型 |
重量 | 190g |
インピーダンス | 47Ω |
コード長 | 3m片出しストレートコード |
参考価格 | 6000円 |
外観は黒一色で非常にシンプルです。スタジオ等の使用を想定したモニターヘッドホンなので、質実剛健な感じです。(が、少し物足りなさはあります)
特筆すべきは190gという軽さで、プラスチッキーな反面、軽い付け心地で取り回しはかなり良いです。
密閉型なので音漏れの心配が無く、遮音性は良好です。
コードが着脱不可の3mコードで、普段使いには余るのが欠点でしたが、amazon限定モデルは程よいコード長1.6mモデルですので、よほど長いケーブルが必要な人以外はこちらがおすすめです。
Audio-technica ATH-M20x 5段階レビュー
音質 :★★★☆☆(3.5)
装着感:★★★☆☆
遮音性:★★★★☆
音の傾向:フラット
得意な音楽:万能
音場感(音の広がり):普通
エントリーモデルなので音質について過度に期待はしていませんでしたが、第一印象は「おっ」と思わせるほどこの価格帯のヘッドホンとしては貴重な、かなり原音忠実なフラットな音です。
廉価ながらモニターヘッドホンらしい解像度の高さを感じさせる鳴り方で、同価格帯のヘッドホンと比較しするとエッジの効いたクリアで見晴らしの良い音です。
一方音場感はそこまでではなく、臨場感はほどほどです(モニターヘッドホンの特徴で、音場感より分析的な解像度に重きを置いています)、がトータルとしては価格以上の実力を感じさせる製品です。
装着感についてはややイヤーパッド内の空間が狭いため他のリスニング用の大型ヘッドホンと比較すると装着感はやや劣ります。
総評:エントリーモデルながら原音忠実さはピカイチ!解像度も高く価格以上の音質
- 廉価ながらかなり原音忠実。価格以上の音質
- モニターヘッドホンとして必要十分な解像度
- ハウジングが小型なので、装着感は大型ヘッドホンと比較するとやや窮屈
総評としてはこの価格でここまで原音忠実なヘッドホンは貴重です。モニターヘッドホンに必要な特性をしっかり兼ね備えているので、原音忠実なヘッドホンが欲しい方や、DTM用や、楽器練習用のヘッドホンが欲しい方に一押しです。
(個別レビュー記事↓)
【レビュー】 audio-technica ATH-M20x この価格帯では貴重な原音忠実ヘッドホン
8.JVC HA-RZ910
JVCのHA-RZ910は一昔前に低価格ヘッドホンの定番になっていたHP-RX900というヘッドホンの後継機にあたる機種です。
廉価ながら50mmの大型ドライバーを搭載している点や、音の広がりと臨場感を高める「アコースティックレンズ」による奥行きのあるサウンドが売りの機種で、映画やゲームに最適な機種です。
JVC HA-RZ910 製品スペック
メーカ | JVC ケンウッド |
---|---|
タイプ | ダイナミック密閉型 |
重量 | 350g |
インピーダンス | 64Ω |
コード長 | 1.2m(+延長2.3m)片出しストレートコード |
参考価格 | 6000円 |
外観はこちらも黒一色でシンプルですが、作りの良さを感じさせる質実剛健さが中々良いです。重量は350gと重めですが、大型のヘッドバンドの装着感が良好ですのでそこまで気にはならないです。
コードは1.2m+2.3mの延長コードが付属しており、視聴環境に合わせてコードを着脱できるのが取り回しの面で便利なのが〇です。
JVC HA-RZ910 5段階レビュー
音質 :★★☆☆☆(2.5)
装着感:★★★★☆(4.5)
遮音性:★★★★☆
音の傾向:高音、低音重視(ドンシャリ)
得意な音楽:ロック、ポップス
音場感(音の広がり):○
音の傾向はいわゆるドンシャリ系で、特に低音の量感はかなりのもので迫力があります。高音はシャリ付きます。
音の反響感を増幅させる「アコースティックレンズ」の効果もあり、臨場感を感じられる音です。密閉型にしては音場感は良好ですが、反面イヤーカップ内でやや音が籠ったような感覚は否めません。
音楽視聴の観点では、籠り感から音の分解能はイマイチですが、小さいホールの中にいるような臨場感があるので映画鑑賞やゲーム用途にはかなり良いです。
装着感はかなり良好で長時間の視聴も苦になりません。眼鏡との相性も良いです。
向いている音楽はドンシャリ傾向な音作りのためロック、ポップス等は元気の良い音を楽しめます。半面ジャズ、クラシック等には繊細さが欠けるためイマイチです。
総評:抜群の装着感と優れた音響感でゲーム、映画用途に最適。音楽視聴に特化では△
- アコースティックレンズの効果でホールにいるような臨場感
- 長時間の使用にたえうる快適な装着感
- ドンシャリ傾向で迫力満点だが原音忠実ではない
- やや籠るので音の分解能はイマイチ
総評としては音楽鑑賞という用途としてはドンシャリしており分解能や原音忠実さの観点でシビアにみるとやや粗が目立つのは否めませんが、
抜群の装着感とアコースティックレンズの音響感がゲームや映画に最適ですので、これらの用途で使うのがおすすめです!
(個別レビュー記事↓)
【レビュー】 JVC HA-RZ910 装着感抜群で映画ゲームに最適。音楽視聴は?
9.PHILIPS SHP9500
フィリップスのヘッドホンはコスパの良さで知られていますが、SHP9500も海外でコスパの良さで話題となった品です。
日本未発売の機種ですが、並行輸入品がamazon等で購入可能です。amazonレビュー7000件越え(多くが海外ユーザー)でおしなべて高評価であり海外人気の高さがうかがえます。
日本未発売のため家電量販店では見かけず影が薄いですが、1万円で買えるヘッドホンな中では音質、装着感が良好でこの価格帯ではトップレベルの総合力ですので筆者的にはおすすめの製品です。
PHILIPS SHP9500 製品スペック
メーカ | PHILIPS フィリップス |
---|---|
タイプ | ダイナミック開放型 |
重量 | 295g |
インピーダンス | 62Ω |
コード長 | 3mカールコード,80cmストレートコード(着脱可) |
参考価格 | 10000円 |
外観はこちらも黒一色でシンプルですが、作りの良さを感じさせる質実剛健さが中々良いです。重量は350gと重めですが、大型のヘッドバンドの装着感が良好ですのでそこまで気にはならないです。
価格を抑えるため全体的にプラスチッキーさはありますが、デザインは悪くなく、作りもしっかりしている印象です。
特徴的なのがイヤーパッドがメッシュ生地のような布系の素材で、このような記事のイヤーパッドは珍しく、夏場でも蒸れず快適なつけ心地です。
ヘッドバンドは金属製のレールで調整可能で、頭に優しくフィットする着け心地になっているため、装着感はかなり良いです。
またインピーダンス(抵抗)は62Ωとそこまで高くないため、アンプ無しでも鳴らせる部類です。
PHILIPS SHP9500 5段階レビュー
音質 :★★★★☆
装着感:★★★★☆(4.5)
遮音性:★★☆☆☆
音の傾向:フラット(やや高音寄り)
得意な音楽:万能
音場感(音の広がり):○
音質はフラットで癖が無いです。高音がややシャリつく感覚が程よい刺激感があります。低音は必要十分出ますが、低音が好きな方にはやや控えめに感じるかもしれません。
ただ1万円で買えるヘッドホンながら、フラットで原音忠実かつ、高音域の切れのあるクリアな音質はこの価格帯ではかなり良好です。
音場感も開放型らしく良好です。解像度は実売2万円クラスのヘッドホンと比較するととやや劣りますが、この価格帯では十分なレベルです。
装着感もかなり良好で夏でも蒸れないメッシュ生地のイヤーパッドと優しく頭にフィットします。多少側圧は感じますが、多少頭が動いてもズレずに良い感じにフィットする感覚があります。
眼鏡をかけている筆者でも長時間リスニングしても問題ないので眼鏡との相性も良いです。
総評:音質、装着感、見た目良し!予算一万円のヘッドホンでは一押し
- 高音がややシャリつくがクリアな音。フラットで癖のない音質なのでどんな音楽もOK
- 解像度、音場感もこの価格では優秀
- メッシュ生地のイヤーパッドの装着感が素晴らしく、夏場でも快適
総評としては音質、音場感、装着感どれも良好で、総合力が高いヘッドホンです。音質にはこだわりたいけど一万円以上はちょっと高いという人にとってはベストに近い選択肢のヘッドホンと思います。
(個別レビュー記事↓)
【レビュー】PHILIPS SHP9500 予算一万円のベストバイ。海外で話題の高コスパヘッドホン
10.ASHIDAVOX ST-90-07(ST-90-05modified)
最後にASHIDAVOXのST-90-07を紹介します。
本機は現在ヘッドホン界隈で話題のヘッドホンで、公式サイトで生産が追い付かず予約生産になるほど人気を博している製品です。
メーカのashida音響は創業80年の古くから業務用ヘッドホンを販売してきた老舗ですが、ここにきてe-イヤホンの22年度下半期売れたヘッドホンランキング上位にランクインするほど注目の製品です。
一見業務用ヘッドホンに見える外見ですが、公式サイトで音楽視聴用ヘッドホンと謳っており、肩書通りの芯の太いパワフルサウンドが売りの製品です。
(2024/05/11 19:13:04時点 楽天市場調べ-詳細)
ASHIDAVOX ST-90-07 製品スペック
メーカ | ASHIDAVOX アシダ音響 |
---|---|
タイプ | ダイナミック密閉型 |
重量 | 120g(コード含まず) |
インピーダンス | 40Ω |
コード長 | 1.5mストレートコード(着脱不可) |
参考価格 | 9080円 |
密閉型のヘッドホンなのでそこそこの遮音性があるタイプです。ただしイヤーパッドがオンイヤー型なので、周囲の音は結構拾います。
インピーダンスが40Ωと低めなので、アンプ不要で十分鳴らせます。
外観はかなりシンプルですが、剛性感のあるヘッドバンドや金属製ハウジング等、使用してみると堅牢な作りの良さを感じさせる製品です。
本機はST-90-05からの進化点として、ひさご電材という日本製の高品質無酸素銅を採用しており、こちらも品質へのこだわりを感じさせます。
ASHIDAVOX ST-90-07 5段階レビュー
音質 :★★★☆☆(3.5)
装着感:★★☆☆☆(2.5)
遮音性:★★★☆☆
音の傾向:フラット(ややドンシャリ)
得意な音楽:万能
音場感(音の広がり):○
音質はモニターライクな見た目を裏切るパワフルなサウンドで、この価格帯の中ではかなり楽しく聞かせてくれるヘッドホンです。
音のバランスはややドンシャリですが、ベースはフラットな音に低音と高音のスパイスを加えたような印象で、なかなか楽しく聴ける良い塩梅です。
解像度は厳しく見ると多少輪郭がぼやける感じはありますが、音の粒を感じさせてくれるレベルなので価格帯としては良好な部類です。小型ハウジングの割に音場感も良好です。
色々なジャンルを万能的に楽しく聞ける製品ですが、欠点はオンイヤータイプなので装着感が多少のネックです。
筆者は眼鏡をかけていますが、眼鏡をかけていても案外長時間使用できるので、オンイヤーにしては装着感は良好な部類です。
総評:見た目とは裏腹のパワフルサウンド。かつ過度にドンシャリしない良バランス
- 小型ながらパワフルなサウンド。原音から離れず楽しく聴けるバランス
- 良好な音場感で迫力満点
- オンイヤー型なので装着感はほどほど
総評としては話題になるのも頷けるパワフルサウンドで、音楽を楽しく聴くために設計されたヘッドホンであることが伝わってきます。
一見見た目はチャチに見えますが、実はしっかりとした作りで長く使える製品です。
様々な音楽を良い感じに聞ける製品ですが、ポップス、ロックを楽しく聴くのに特におすすめでEDM等の打ち込み系との相性も◎です。
(個別レビュー記事↓)
【レビュー】ASHIDAVOX ST-90-07 密閉版GRADOか?予想外のパワフルさ
1万円で買えるおすすめヘッドホンの特徴比較まとめ
以上、コスパに優れた定番ヘッドホン10選を紹介しました!
ハイエンド機を5点満点とした基準の評価のため音質評価は比較的横並びになっていますが、この価格帯ではどれも優秀です。
ざっくり特徴をまとめると
→ 総合力はトップレベル。この価格帯では一つ抜けたクリアな音質②Audio Technica ATH-AD500X
→ 中~高音重視の品のある音。広い音場感に特色。装着感◎
➂AKG K240S
→ AKGの上品なサウンドを楽しめる入門機。モニターヘッドホンらしく高解像度
④SHURE SRH440
→ ボーカルの艶めかしさが際立つ。解像度も高い
➄Creative Aurvana Live!
→ 最安値だがバランス良し。楽しく聞ける味付け
⑥Audio Technica ATH-AVA500
→ATH-AD500Xより低音が出るバランス型。広い音場感は健在でコスパ◎
➆Audio Technica ATH-M20x
→廉価モニターヘッドホンの決定版。この価格帯では貴重な原音忠実さと高解像度
⑧JVC HA-RZ910
→優れた音響感と快適な装着感でゲーム、映画等に最適
➈PHILIPS SHP9500
→フラットで癖がなくかつクリアな音質(やや高音寄り)装着感良好で総合力高い
➉ASHIDAVOX ST-90-07
→見た目以上のパワフルサウンドで迫力ある音楽を楽しめる。作りも良い
という感じです。
どれも素晴らしいヘッドホンですが、それぞれ特徴があるので、自分のよく聞く音楽や、用途に合わせてヘッドホンを選ぶのがベストです。ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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