今回はFIFINEさんからのご厚意でヘッドセットを提供いただきました、ゲーミングヘッドセットのAmpligame H9をレビューします。
機材提供いただいたものの、あくまで当サイトのモットーとしてユーザー目線で良いところ悪いところを公平にレビューさせていただくことを快諾いただきました。
結論としては中立レビューを快諾していただいただけあり(製品に自信あり?)、価格を考えると普通に良い音質のヘッドセットで、この価格帯のヘッドセットとしては意外なほど音質面が良好です。
以前amazonランク上位の某中国メーカのヘッドホンレビューしていまいちだったこともあり、正直amazonにあふれる中国メーカに対し警戒感がありましたが、本機はマイクで培った音響技術の賜物なのか中々悪くない音作りです。
ゲーム用のみならず、音楽視聴用にも使いたい方にお勧めできる製品です。過去レビューした同価格帯のゲーミングヘッドホンとの比較も行っているのでご覧ください。
FIFINE社とは?
FIFINE社については筆者も詳しくなかったので調べてみました。読み方はファイファインと読みます。2009年に創業した中国の音響機器メーカで、特にマイクに強みを持っているようです。
口コミとしては価格の割に音が良い、コスパに優れているといった感想が見受けられ、筆者はマイクは詳しくないのですが、好評を博しています。
本社は中国ですが、英米ヨーロッパ等世界の国に製品を展開するグローバル企業で、アメリカのウォルマートにも進出する実力も兼ね備えているようです。
近年マイクで培った音響技術を引っ提げてヘッドセット界隈にも進出してきているようです。
FIFINE AmpliGame H9 製品スペック 外観レビュー
メーカ | FIFINE ファイファイン |
---|---|
タイプ | ダイナミック密閉型 |
重量 | 260g |
インピーダンス | 32Ω |
コード長 | 1m+2mリモコンケーブル |
サラウンド | 7.1chサラウンド |
参考価格 | 5800円 |
種類は密閉型ヘッドホンで、ノイズキャンセリングはないものの周囲の音を遮断するタイプのヘッドホンです。
コードは1mのオーディオジャック+2mのリモコンケーブル(USB接続)です。1mでは短いのでリモコンケーブルをつけたUSB接続が基本です。
リモコンはマイクと音量調節のボリュームがそれぞれ別々に調整可能です。
中心部にはサラウンドボタンが有り、ONになると赤く点灯するのでわかりやすいです。
ソフトウェアでON/OFFする製品もありますが、本機はワンタッチで切り替えられるので便利です。
PCに接続すると、ボリュームを調整すると下図のようなパネルが画面上部に出て来ました。ボリュームの大小調節が分かりやすいです。なおPS4/PS5に接続してもこのリモコンで音量を調整可能です。
ヘッドホン全体としてはそこそこサイズ感はあります。カラーは黒、白、ピンクの3種あり、この品物は黒ですが黒一色のシックな感じです。質感は全体的にプラスチッキーな印象なぬぐえませんが多少粗く扱っても問題なさそうな頑丈さは感じられます。
側面には笑顔マーク?のようなものがありカジュアルな印象です。後述しますが音質面は実はかなりしっかりしていることもあり、音質の良さに対しカジュアル感がやや勿体ない感があります。(どちらかというと白やピンクのような色と合いそう)
マイクは着脱式で、マイクをつけると写真のような感じになります。マイク部のコードは自由に折り曲げて形を変えることが可能です。
FIFINE AmpliGame 5段階音質レビュー
FIFINE Ampligame H9 5段階音質レビュー
音質 :
装着感:
遮音性:
音の傾向:フラット(ややドンシャリ)
得意な音楽:ロック、ポップス
音場感(音の広がり、定位感):普通
音質については、5000円クラスのヘッドセットという事で正直な期待値は高くありませんでいたが、第一印象は想像以上にしっかりしていると感じました。
ヘッドホンオタ的には5000円以下のヘッドホンは魑魅魍魎でヤバい音質のものも多くあり警戒していましたが、拍子抜けするほど悪くない音質です。
音の傾向としては基本はフラット寄りのサウンドです。ややドンシャリ感はありますが、音楽を聴く分には程よいスパイスで、ゲームをする分には臨場感を与えてくれるかのような、極端なドンシャリではない塩梅です。
どちらかというと低音が聞いた重厚なウォーム系の音色というより見通しの良いクリアな音質のイメージです。
解像度は実は見通しの良い音質も相まってこの価格帯では悪くないです。さすがに1万円クラスの製品と比べると粗はありますが、ヘッドセットという事を抜きで5000円台の有線ヘッドホンとしてみてもそれなりの品質を感じます。
過去レビューしたRazer krakenはゲーミング用途では悪くないものの音楽用としては微妙と評価をしましたが、こちらは音楽用としてもかなり良いです。
音場感は特別広くもなく狭くもない印象ですが、大型ドライバの恩恵もありある程度立体感を感じさせてくれるレベルです。
正直近年amazonに溢れる中国メーカの製品にあまりイメージが無かったのですが、本機はFIFINE社のマイクのノウハウがあるからか音質面も悪くない製品で、安価ながらゲーム用途のみではなく、音楽視聴にも使えるヘッドセットが欲しい人に十分おすすめできる製品です。
7.1chサラウンドについて
サラウンドはワンボタンでon/off可能です。ソフトで切り替えという製品も多いですが、ワンタッチで切り替わるのは便利です。
筆者が過去レビューしたlogicool社のゲーミングヘッドホンなどはソフトウェア上でサラウンドON/OFFできますが、映画やゲーム以外の通常の音楽は指向性が無いため、サラウンドをONにしても音は変わりませんでした。本機はヘッドホン側で処理をしているようで、通常の音楽でもサラウンド感が出ます。
ただ通常の音楽に対しサラウンドをONにすると音質的には籠った感じになるので、通常音楽視聴にはおすすめしません。
試しに映画や動画視聴で使うと、音に立体感が出て臨場感が増すので結構良いです。爆発音や銃声等の迫力は中々でFPSゲームの没入感は増すと思います。
FIFINE Ampligame H9 装着感について
多くのゲーミングヘッドホンは長時間装着を想定しており良好ですが、本機も装着感は良好です。オーバーイヤー型で耳全体を包み込む形で、イヤーカップのサイズも十分です。クッション材も耳当たりが良く良い感じです。
一方で側圧はそこそこ感じられ、フィット感重視というイメージです。ただ側圧のせいで耳が痛くなることなどは無く、長時間使用できるレベルではあります。
また眼鏡勢としては気になる眼鏡との相性ですが、こちらもゲーミングヘッドホンらしく眼鏡+長時間でも問題になりません。ヘッドバンド上部には下記のようにクッションがあります。
総じて装着感良好ですが、惜しいのが筆者の頭の形の問題もあるかと思いますがややヘッドバンドが大き目で、ヘッドバンドを縮める側に動かすと、ややイヤーパッド下部に隙間ができる感じがあります。
逆にヘッドバンドを広げると隙間は無くなりますが広がった分ヘッドホンが下にずり落ちる感じがあり、小顔な人はあまりフィットしない可能性があります。
FIFINE Ampligame H9 良い点、悪い点
●良い点
- この価格帯のヘッドセットとしてはかなり良い音質。ゲームだけでなく音楽も楽しみたい人におすすめ
- 価格を考えるとかなりクリアで解像度高い音
- リモコンの出来が良く、使いやすい
●悪い点
- ややチープな外観が惜しい
- 装着感に多少癖あり(ヘッドバンドがやや大柄)
総評としては、この価格のヘッドセットとして驚くほど音質はしっかりしています。マイクについても、元々マイクが得意なメーカだけあって評判は上々です。
サラウンド機能等、ゲーミングヘッドホンとしての使い勝手はもちろん、音質面が良好なのでヘッドホンを音楽用としても使いたい人におすすめできます。
カジュアルな外観ながら実は良品なのでややチープな外観が惜しいですが、この価格を考えるとコスパはかなり良い製品なので、安価でも音質にこだわりたい方に一押しです。
同価格帯他社ヘッドセットとの比較
せっかくなので筆者が過去レビューした同価格帯のヘッドセットとの比較をしてみました。
比較対象はLogicool G433 razer krakenです。(どちらもこの価格帯で売れ筋です)
品名 | FIFINE ampligame H9 | Logicool G433 | Razer kraken |
音質 | ◎ | 〇 | △ |
サラウンド | 7.1ch | 対応(専用アプリ) | 無し |
装着感 | 〇 | ◎ | 〇 |
外観 | △ | 〇 | ◎ |
専用アプリ | 無し | あり | 無し |
価格 | 5800円 | 7000円 | 6900円 |
比較は上記のような感じです。比較売れ筋のラインナップの中でも単純な音質面では本機が一番優れています。
Logicool G433はイコライザーで変えられるものの、素の音質はフラットながらやや起伏に乏しいカマボコ気味な音なので、音楽を楽しむなら本機のほうが良いです。Razer krakenはゲーム用に特化のイメージで音楽を聴くにはやや不向きです。
装着感はLogicool G433は抜きんでて良いので◎としました。外観についてはRazer krakenがこの価格帯ながらかなり質感にもこだわりが感じられます。
またLogicool G433は専用アプリに対応しており、イコライザーで音質を調整や、サラウンドに対応していたりと機能面に優れています。
Ampligame H9は外観が惜しいものの、機能面として、音楽用とゲーミング両方に使いたい人には最もおすすめできる製品になっています。
まとめると
- FIFINE ampligame H9:ゲームのみではなくヘッドホンで音楽も楽しみたい
- Logicool G433:ゲームがメインで専用アプリによるイコライザーや装着感を重視
- Razer Kraken:ほぼゲーム専用、見た目にもこだわりたい人向け
という感じで選択すると良いと思います!
関連記事として2機種のレビュー記事のリンクを記載しましたので、こちらもあわせてどうぞ。
(関連記事)
【レビュー】音質悪い?Razer kraken ゲーミングヘッドホン
【レビュー】イコライザーで音質が激変 LOGICOOL G431 ゲーミングヘッドホン