今回はMeze Audio 99 Classicsをレビューします。
Meze Audioはルーマニアのヘッドホンメーカーで2011年創業のメーカです。
創業後しばらく国際的には無名でしたが、2017年に99Classicsが海外のサイトで密閉型ヘッドホン歴代ベスト10(現行ではなく歴代!)に選出され、他のサイトでは殿堂入り等、輝かしい実績を上げて以降世界に知れ渡ることになりました。
特徴的なのは木目のイヤーカップで、天然のクルミ材から一つ一つ削り出されているとのこと。音質もさることながら見た目もかなり上質です。
結論としてはレビューの高い期待値をさらに上回るヘッドホンでした。音質としては尖っている部類ですが音質、外観共に光るものがあり個人的に「買い」のヘッドホンです。
スピーカとは一味違う、ヘッドホンで聞く音楽のダイナミックさを感じさせてくれる一品です!
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下記記事でこのヘッドホンを含む、各社のハイエンドヘッドホンの違いについてを徹底比較しています。興味ありましたらこちらもどうぞ!
Meze 99 classics 製品スペック、外観
メーカ | Meze Audio メゼオーディオ |
---|---|
タイプ | ダイナミック密閉型 |
重量 | 約260g |
インピーダンス | 32Ω |
コード長 | 3.0m/1.2m(リモコン付き)両出しストレートコード(着脱可能) |
参考価格 | 29800円 |
そこそこお値段するだけあり、パッケージはしっかりとした箱に入っています。専用キャリングポーチ付きで、Mezeの光るロゴがお洒落です。
キャリングポーチ内。中心の黒いミニバッグにケーブル類が収納されます。
スペックは密閉型で、遮音性が高いタイプです。密閉型は比較的重めヘッドホンが多いですが、260gと見た目の割に軽量です。
インピーダンスは32Ωとポータブルヘッドホン並みの低インピーダンスで、音量も比較的取りやすいためヘッドホンアンプが無くても鳴らせる機種だと思います。
外観はウォールナットのイヤーカップに金色のパーツで、購入前はやや派手かな?と思いましたが実物を手に取ると素晴らしい質感で、期待以上の外観でした。
一品一品削り出しのため一品ごとに木目模様が異なります。筆者のものは片側に特徴的な木目があり個人的に当たりかと思っています笑
3万円クラスの高級ヘッドホンではありますが、全体的にも3万円という価格が安く思えるほどの質感です
カラーバリエーションは金属パーツ部がシルバーの製品もあります。個人的にはウォールナットの色と金色の方が合う印象ですが、落ち着いた色味が好きな方はシルバーもどうぞ。
コードは着脱可能な両出しストレートコードで、3.0mとリモコン付き1.2mのコードを付け替えは可能です。ケーブルもゴム製ではなくケブラー繊維で、絡みにくくかつ高級感があります。
MEZE 99NEOについて
本製品の兄弟機として、99neoという製品が後発で発売しています。
基本設計は99classicと同じですが、イヤーカップが木製ウォールナットからABS製に変更になり、やや低価格(実売2万4千円程度)になっています。
音の傾向もベースは同じですが、完全に同じではない(99neoはやや解像度が落ちる傾向)とのことですが、よりシックなデザインかつ低価格でMezeの音楽を楽しみたい方はこちらも有りだと思います。
Meze Audio 99 Classics 5段階音質レビュー
音質 :
装着感:
遮音性:
音の傾向:低音重視
得意な音楽:ポップ jazz クラシック
音場感(音の広がり):◎
音質はとにかく圧巻の迫力(音圧)という印象で、前評判から期待値は高かったものの、高評価にも納得の音質です。
特に印象的なのががっつり響く低音で、ハウジングの中に低音のキック感が広がります。低音が目立ちますが、中~高音も低音に負けじと埋もれることなくクリアに響き、とにかくメリハリのあるサウンドです。
いわゆるウォーム系と呼ばれる重心が低く、耳当たりの良いサウンドです。
また音場感もかなり良好で、密閉型特有のホールの中にいるような音響感を強く感じさせる機種で、没入感は素晴らしいです。
一方原音忠実かというと明らかに「聞かせに来ている」音で、フラットではないです。フラットで高音質なヘッドホンというとゼンハイザーHD650等の素晴らしいヘッドホンがありますが、本機はかなりリスニング用に特化させた印象です。
解像度という点では中~高音も低音に埋もれない程度の高い解像感は感じさせてくれますが、音の輪郭はモニターヘッドホン等と比べるとややぼける印象です。
解像度という評価軸では音質は☆4かと思いましたが、解像度を補って余りある音作りの素晴らしさから☆4.5としました。
本機については上記解像度や原音忠実性はさておき、とにかく素晴らしい音づくりと感じさせるインパクトを感じました。
得意な音楽は、よく響く低音と良好な音場感からjazz等で、筆者もよく聞くjazzフュージョン等ともベストマッチです。音場感に優れるためクラシックもホールの中にいるような感覚で視聴できるので相性◎です。
ポップス、ロックも持ち前のウォームな音質で、バラードもポップスもどちらも楽しめます。そういう意味ではポップスからクラシックまで万能的に様々な音楽を楽しめるヘッドホンです。
EDM等も低音の迫力は十分で悪くないです。ただ一音一音の音の切れががあるというよりは、やや丸みを帯びている印象なので、もう少しモニター寄りの音の方が好みという方もいそうです。
Meze 99 classics 装着感について
装着感は大きなイヤーカップが耳全体を覆ってくれるので良好です。眼鏡+長時間視聴していましたが、特に辛くなることもなく問題なしでしたので、眼鏡との相性も良好です。
ヘッドバンドはアジャスタブルで、頭の位置に合わせて上下するので、フィット感も良好です。
また重量も比較的軽量なので見た目に反して軽い付けごこちです。側圧も強すぎず弱すぎず程よいフィット感で、装着感も良好です。
欠点としては密閉型なので夏場は多少蒸れます。
Meze Audio 99 Classics 良い点、悪い点
- 良い点
- 良く響く低音と、クリアな中~高音を両立した圧巻のサウンド
- 音場感に優れ、ホールにいるような没入感を味わえる
- 価格以上の質感で、高級感を感じさせる外観
- 装着感も良好
- 悪い点
- 音質はフラットとは呼べずモニター用途には不向き
総評としては色々なヘッドホンを試聴してきた自分としても、個人的には手放せない一品となりました。モニターライクな原音忠実性はありませんが本機の魅力はそこではなく、とにかく「聞かせてくる」圧巻のサウンドと、素晴らしい音場感に脱帽です。
他社のハイエンドヘッドホンは原音忠実、かつ元の曲の良さを際立たせてくれるような製品が多いですが、聞きごたえという点で本機を超えるヘッドホンはなかなか無いのではないでしょうか。
海外でも様々な賞を受賞し、密閉型ヘッドホン歴代ベスト10入りしたというところも納得の製品です。
見た目も高級感があり所有欲を満たしてくれる製品ですので一押しです!今回初めてMeze社のヘッドホンを試聴しましたが、今後もMezeの製品には目が離せません。
(参考記事)
本機とは対照的に原音忠実性を徹底的に追求したヘッドホン「tago studio T3-01」の記事です。特徴としては本機と真逆の好対照の製品です!興味あればこちらもどうぞ!