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ヘッドホンレビュー

【レビュー】Audio technica ATH-A500Z コスパ良好なロングセラー機

今回はAudio technica ATH-A500Zをレビューします。

ATH-A500はオーディオテクニカのアートモニターヘッドホンというシリーズの製品で、「すべての帯域を鳴らし切り正確な音を再現する」というのが公式の文句で、原音忠実さを重視したモニターヘッドホンです。

昔からある密閉型ヘッドホンの定番製品ですが何度かマイナーチェンジを繰り返しており、今回の末尾Zが付いた製品が最新のラインナップです。

モニターヘッドホンと言いつつも、本機は業務用というよりはリスニング用としても広く使われており、ユーザーから長年好評を博しています。

本気ATH-A500ZはATH-A***シリーズでは最も安価なエントリーモデルの位置づけですが、音の解像度や装着感の良好さからコスパは抜群で、予算1万円程度でフラットな音質の密閉型ヘッドホンを探している方に一押しのヘッドホンです!


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Audio technica ATH-A500Z 製品スペック、外観

メーカ Audio technica オーディオテクニカ
タイプ ダイナミック密閉型
重量 約300g
インピーダンス 40Ω
コード長 3.0m片出しストレートコード(着脱不可)
参考価格 9800円

タイプとしては密閉型ヘッドホンですので、音漏れはしにくく遮音性に優れるタイプです。

サイズ感としては53mmの大型ドライバ搭載のため比較的大柄で、重量も300gとヘッドホンの中ではやや重めで、多少の重量感はあります。

デザインは黒一色のシンプルです。黒のハウジングはやや光沢があるプラスチックで、よくあるマットな感じの黒よりは多少の高級感はあります。


コードは3mのストレートコードで、通常使用するにはややコードの長さが余ります。

インピーダンスは40Ω程度なので、ヘッドホンアンプ無しでも問題ない部類です。

Audio technica ATH-A500Z 5段階音質レビュー 

Audio technica ATH-A500Z 5段階音質レビュー 
音質 :
装着感:
遮音性:
音の傾向:フラット
得意な音楽:ポップ クラシック
音場感(音の広がり):普通

モニターヘッドホンというよりはリスニング向けっぽい大柄な見た目なので、ある程度はリスニング用に寄せた音作りかと思いきや、中々モニターっぽい解像感がありエッジの効いた鳴り方という印象です。

音質もモニターヘッドホンらしいフラットさで「すべての帯域を鳴らし切り、正確な音を再現する」という公式の触れ込みに偽り無しです(※疑っているわけではない)

全体としてはかなりフラットですが、低音もそこそこ出る印象です。

公式によると、二重構造ハウジング構造(D.A.D.S構造)という空気のばねを利用して低域の伸びを実現する?という特許構造を採用しているらしく、高音寄りな音作りが多いオーテクにしては低音も出ているのはこの恩恵と思われます。

高音域はオーテクらしい伸びやかな高音ですが、モニター寄りのエッジの効いた音質のため、シンバルの音などがやや刺さるため高音域に多少のシャリ付きがあります

解像度はこの価格からしたらかなり高めで、多少の籠り感はあるものの音の輪郭はシャープで、モニター使用にも十分使える機種です。

とは言え全体としては音の柔らかさと、ほどほどの低域の量感もあるため、MDR-ST900のような業務用のモニターヘッドホンのように極端に耳に刺さる感じは無く、リスニングヘッドホンとしてのニーズも両立しているような印象です。

音場感はごく普通という感じで、密閉型のためそこまで音の広がりは感じられず、音源にもよりますがやや耳の近くで鳴っているような印象です。

全体としては繊細で上品な音作りでノリの良さよりモニター的な解像度の高さが特徴のヘッドホンなので、ロック等を元気よく聞くよりは、ポップスや、クラシックの生音を解像度の高いヘッドホンで楽しむといった用途におすすめです。

遮音性は密閉型のわりにはそこまで高くはないです。(その分密閉型特有の閉塞感は少な目)ノイズキャンセリングのあるヘッドホンなどと比べると良くも悪くも周囲の音が聞こえます。

Audio technica ATH-A500Z 装着感について

装着感はオーディオテクニカ独自のウイングサポート(下写真)のため、頭を包み込むような感覚でかなり着け心地は良いです。側圧も強くないので眼鏡との相性が良いです。

業務用のモニターヘッドホン(SONY MDR-ST900等)は軽量かつ小ぶりですが、長時間付けていると耳がしんどくなるので、本機は眼鏡で長時間ミキシング作業を行うというような用途でもOKです。

欠点は重量が結構あるため、頭頂部の重量感があることや、密閉型なので夏は蒸れがちなことですが、装着感は良好な部類です。

Audio technica ATH-A500Z 良い点、悪い点

●良い点

  • 繊細な高音と、そこそこ出る低音のバランスが良い
  • モニター用途に向くフラットな音質
  • 価格帯としては良好な解像度
  • ウイングサポートによる快適な装着感

●悪い点

  • 比較的おとなしい鳴り方のため、元気の良い音楽との相性は△
  • 音場感は悪くはないが今一つ

総評としてはリスニング向けヘッドホン的な低音の豊かさと、モニター的な音質のフラットさ、解像度を高レベルでバランスしているヘッドホンで、装着感も良好なので価格を考えるとかなりコスパが高い製品です。

ポップス、クラシック等の視聴がメインで、予算1万円で密閉型ヘッドホンが欲しい方にお勧めできる機種です!

オーテクの開放型の定番ATH-AD500Xも同じような価格帯で一押しの機種ですが、密閉型の本機もおすすめできる機種です。


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開放型ヘッドホンATH-AD500Xとの比較

オーテクには同じような1万円クラスの製品にATH-AD500Xというベストセラーのヘッドホンがあります。名前が似ているので紛らわしいですが、
ATH-AD500X:開放型ヘッドホン
ATH-A500Z:密閉型ヘッドホン 
というのが最大の違いです。

ざっくり違いをまとめると下記のような感じです。

○音場感(音の広がり)
ATH-AD500X > ATH-A500Z
○低音の響き
ATH-A500Z > ATH-AD500X
○遮音性
ATH-AD500X > ATH-A500Z


どちらも音作りはフラットかつ繊細な傾向という点で似ていますが、音場感は開放型で音の抜けに優れるATH-AD500Xが優れており、低音の響き、遮音性は密閉型の特性からATH-A500Zが優れています

(関連記事1)密閉型と開放型の違いは下記で説明しているので興味があればどうぞ
【実は全然違う?】開放型ヘッドホンと密閉型ヘッドホンの違いについて

(関連記事2)ATH-AD500Xの個別レビューはこちら
【レビュー】Audio Technica ATH-AD500X オーテク屈指の傑作!

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