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ヘッドホンレビュー

【レビュー】Beyerdynamic DT1990pro DT990上位機種?以上の逸品

今回はBeyer dynamic dt1990proをレビューします。

本機はbeyerdynamicのベストセラーヘッドホンdt990proの上位機種として発売されたハイエンドヘッドホンです。特徴としてはbeyerdynamicの上位機種のみに適用されるテスラドライバーというbeyerdynamicの技術の粋を集めた技術が適用されています。

特徴としてはDT990proはかなり刺激的なサウンドが特徴でしたが、本機は高い解像度と明瞭なサウンドはそのままに、バランスの良いサウンドが特徴です。

結論としてはモニター的要素とリスニング的要素をバランス良く兼ね備えた素晴らしいヘッドホンで特筆すべき解像度を誇るヘッドホンです。

DT990proの上位機種として見るとかなり綺麗にまとまっているのですが、総合力の高さは段違いで、BeyerdynamicがゼンハイザーHD650のような万能ヘッドホンを出したイメージで、ヘッドホンの元祖たるBeyer社の底力を感じられる製品です。

なお本機には標準で2種類のイヤーパッドが付属しており、付け替えることで特性が変わります。こちらを聞き比べた結果も記事内でレビューしています。

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Beyerdynamic DT1990pro 製品スペック 外観レビュー

メーカ Beyerdynamic
タイプ ダイナミック開放型
重量 370g(コード含まず)
インピーダンス 250Ω
コード長 3.0mストレートコード(着脱可)
参考価格 79800円

開封すると専用のキャリーケースが付属しています。今まではケースにロゴが無かったようですが2023現在の最新版にはケースにbeyerdynamicマークが追加されています。

ケースを開けると本体と蓋部にコードケース、中央には替えのイヤーパッドが収まっています。

本体については一見は密閉型のようにも見えますが、側面メッシュの部分が開放されており、開放型のヘッドホンです。

外観の第一印象としてはかなり作りがしっかりしておりハイエンド機の風格を感じさせる一品です。側面のメッシュ開放部についてはネット上の写真では分かりづらいですが、きめ細やかな金属メッシュで実物は写真以上のクオリティの高さが感じられる感じさせる一品です。

DT1990 proの刻印は金属製で、端にはmade in germany の文字がキラリと光ります。


重量は持った瞬間手にずしり重みが感じられる370gで、ヘッドホンとしてはなかなか重量級の部類です。着け心地は多少重くなるのは覚悟です。

インピーダンスも250Ωと高く、モニターヘッドホン的な使われ方を意識していると思われますが、ヘッドホンアンプが欲しいところです。

テスラテクノロジーって何?

テスラテクノロジーとは、Beyerdynamic社のハイエンド機種のみに搭載されている独自技術で、当然DT1990proにも採用されています。TASCAM公式サイトによると下記特徴があります。

  • ドライバー(トランスデューサー)の磁束密度が1テスラ以上で、大音量下でも歪みのない正確なサウンドを再生
  • フルメタルドライバーでドライバー内部のボイスコイルが外部電磁界から保護されている
  • 多重層振動版を採用し耐久性UP+軽量化
  • 振動版のメッシュ部は音響特性に最適化された材料を採用

とのこと…ぱっと何のことやらという感じですが、とにかくドライバー部を効率化して音の歪みを低減させていて、かつ振動版の素材にもこだわり、かつ外部ノイズの微弱な影響まで完全に排除するといった徹底した高音質へのこだわりがテスラテクノロジーといったところでしょうか。

ハイエンド機のみに採用されているのでBeyer社の本気を感じたい方はテスラテクノロジー搭載機をお試しあれ。

Beyerdynamic DT1990pro 5段階音質レビュー

Beyer dinamic DT1990pro 5段階音質レビュー 
音質 :

装着感:

遮音性:

音の傾向:フラット

得意な音楽:万能

音場感(音の広がり、定位感):〇

DT990proの後継機ということで、多少耳障りなほどキレキレなサウンドがパワーアップしたか?という期待で聞いてみたファーストインプレッションは、あれ?意外と素直な音?と正直若干の肩透かし感は感じました。

音質はややドンシャリしていたDT990proとも異なり、かなりフラット寄りのモニターライクな音に近い印象です。

モニターホンの原音忠実さ+高解像度とリスニングホンらしい装飾を感じさせる中間的な立ち位置という意味で、比較する機種はゼンハイザーHD650と感じました。

音の傾向はフラット傾向ながら低域は気持ち控えめで、その代わりに中~高音域のキレはBeyerdynamicお得意の明瞭かつクリアなサウンドを感じられます。

また解像度については文句なしの超高解像度で、単純な解像度だけで見るとHD650以上にさらに明確に音の粒感を感じることができます。音質のバランスの良さと解像度の高さから音質は文句無しの★5です。

音場感についてもハイエンドヘッドホン基準でも及第点の広い音場感で十分な立体感を感じることが出来ます。

得意な音楽は、ドンシャリしていて癖のあったDT990proと比べると、本機はポップス~クラシックまでなんでも聞けるため、かなりの万能感があります。

しいて言うなら明瞭かつ高解像度な音作りが打ち込み系にかなり向きます。

またポップスについても本機はボーカルの距離感が絶妙で、ボーカルとバックの音がそれぞれが定位感をもって分離され、かつボーカルが遠すぎない、かなり良い距離感です。

これほどの解像度を持つヘッドホンの場合、ボーカルが近いと女性ボーカルが刺さることもありますが、本機はかなり良い塩梅です。

始めDT990proの後継機というには素直にまとまっておりにおや?と思いましたが、聞きこむほどに魅力を感じるヘッドホンで、HD650的なオールラウンドな完成度の高さにbeyerdynamicの売りであるクリアで切れのあるサウンドを表現させたと言える素晴らしいヘッドホンです。

DT1990pro 交換式イヤーパッド聞き比べ

本機には標準の「バランスド」イヤーパッドのほかに「アナリティカル」イヤーパッドが標準で付属しています。装着状態では区別がつきませんが、取り外して裏返した状態では穴の数が違うことが分かります。(写真左がバランスドで右がアナリティカルです)

公式サイトによると、バランスドは「マスタリングやミキシング用」アナリティカルは「分析的リスニング用」とのことです。
バランスドからミキシング用に実際に比較してみると下記違いがありました。

バランスド→アナリティカルに変更した場合の変化

  • アナリティカルはより分析的になり解像度が上がる
  • 音の抜けが変化し(抜けは悪くなる)、セミオープンに近い特性になる。音場感が狭くなるが低域が豊かに
  • やや高音が刺さる

概ね公式サイトの言う通り、モニターに近い特性になることがわかります。グーグルの検索候補で「DT1990pro 刺さる」というワードが出てきており、確かに刺さる感じがありますがアナリティカルパッド起因の検索候補と思われます。

総合的にはこの穴だけで音が変わるのか?懐疑的でしたが、根っこの音質自体は大きくは変わらないものの、音の抜け感の違いは体感できるレベルで変わる印象です。
(イヤーパッドの交換が手間なので微妙な違いを聞き比べるため何度も付け替えるのはしんどい…と思っていたので安心)

個人的には本機はモニター的には使わずリスニング機として使用するため、アナリティカルより、バランスドのほうが良いと思います。アナリティカルは低域や解像度が増しますが、開放型の音の抜けと広い音場感を犠牲にするには見合わないかなと思ってしまいます。

とは言え聞き比べる価値アリなので一度は試してみるのがおすすめです。

Beyerdynamic DT1990pro 装着感について

装着感についてははやはり重量があるため頭頂部に重みを感じる機種です。

側圧はそこそこ強めですが、緩いと本体の重量を支えられずずり落ちる感じがあるのでフィット感のためには必要な側圧といったところです。

ただイヤーパッド内の空間はしっかりと確保されており、ベロア調のイヤーパッドの耳当たりは良好で、重さを許容できれば装着感自体は悪く無く、眼鏡をかけている筆者でも比較的長時間付けていられるレベルではあります。

SENNHEISER HD650との比較

HD650との比較については音質レビューでも触れていますが、再度まとめます。

前提として、どちらも開放型ヘッドホンで、音質はモニターヘッドホン的な原音忠実さがありながら、リスニングヘッドホンっぽい多少の装飾感も感じさせるところが共通点です。

両機の違いは大まかにゼンハイザーは暖色系の音色を得意とするのに対し、ベイヤーは比較的寒色系の明瞭な響きが特色で、それがそのまま両者の特性の違いになっています。

解像度については両機共にハイレベルですが、解像度はDT1990pro>HD650です。これは寒色系の音色の方が一般的に音質はクリアで、解像度が高い傾向があるためです。

DT1990proはこの価格帯のハイエンドヘッドホンの中でもトップクラスの解像度で、クリアさと中~高音域のキレは特筆すべきものがあります。

一方で低音の響きや音の厚みはHD650に軍配があがります。また高音域の刺さりもHD650のほうがマイルドで比較的聞き疲れがしにくい傾向です。
まとめると

・暖色系万能ヘッドホン:HD650
→豊かな低域+聞きやすい高音域
・寒色系万能ヘッドホン:DT1990pro
→高い解像度+キレキレな中~高音域

という感じで、どちらもバランスの良い音質の万能ヘッドホンですが、暖色系サウンドが好きか寒色系サウンドが好きかが好きかが判断基準になると思います。

結局どっちが良いの?というと結局は個人の好みになってきてしまいますが、筆者的には作業用的に、長く使うならなら聞き疲れが少ないHD650で、短時間聞く場合はDT1990proという感じで使い分けています。

なお筆者はBeyerdynamicのハイエンドヘッドホンのT5pも所持していますが、T5pは本機よりリスニング寄りで、リスニングヘッドホンを求めるならT5p(開放型ならT1)も良いです!

(関連記事:T5pレビュー記事)
【レビュー】Beyerdynamic T5p テスラテクノロジーの実力は?

Beyerdynamic DT1990pro 良い点、悪い点

●良い点

  • モニターとリスニングの中間的な絶妙なバランスで、原音忠実
  • 圧倒的な高解像度
  • どんな音楽もハイレベルに鳴らす万能性

●悪い点

  • 本体が重く装着感が重め

総評としてはDT990proの後継機という感じでは無いものの、Beyer社らしい高解像度なキレキレサウンドはそのままに、名機SENNHEISER HD650を彷彿させる優れたバランスを感じさせる一品でした。

欠点はやや重い重量ですが、それ以外にはケチの付けようがない製品です。ヘッドホンの元祖であるBeyer社のフラッグシップにふさわしい完成度で、Beyer社のキレのある音作りが好きな方に特に一押しのヘッドホンです!

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(関連記事)
下記記事でこのヘッドホンを含む、各社のハイエンドヘッドホンの違いについてを徹底比較しています。興味ありましたらどうぞ。
【なにが違う?】二~三万円以上のハイエンドヘッドホン7選徹底比較【レビュー】