今回はAKG K72をレビューします。
本機はAKGの中ではエントリークラスに位置する製品で、ラインナップにはK52,K72,K92がありますが、この中でも中位の製品になります。
公式サイトによるとエントリークラスながらスタジオユースでも使えるクオリティとの触れ込みですので、安価ながらどの程度の実力か?レビューしてみました。
結論としては安価でもAKGということで期待もありましたが、残念ながらAKGらしい中~高音域の品の良いサウンドが感じられず、あくまで廉価版の印象をぬぐえずでした。
この価格ならもう少し出せば上位機種のK240S等に手が届き、音のレベルは段違いに向上するため、個人的にはそちらを推奨です。(何ならamazon価格では23’9月現在ではK240の方が安いです)
またその他の同価格帯で、筆者が選ぶおすすめヘッドホンを下記で紹介していますので、興味がありましたらこちらもどうぞ!
(関連記事)
【2023厳選10選】五千~一万円のおすすめ有線ヘッドホン10選【コスパ最高】
AKG K72 製品スペック 外観レビュー
メーカ | AKG |
---|---|
タイプ | ダイナミック密閉型 |
重量 | 200g(コード含まず) |
インピーダンス | 32Ω |
コード長 | 3.0mストレートコード(片出し着脱不可) |
参考価格 | 7800円 |
タイプとしては密閉型ヘッドホンで、周囲の音を遮蔽するタイプです。
エントリーモデルながら外観はAKGの伝統的な大型ハウジング(本機はφ40mmドライバ搭載)で、上位機種のK702等と同じサイズ感です。
価格が価格だけにプラスチック感が否めませんが、全体的なデザインとしてはシックな黒と側面の銀色のAKGロゴがなかなか渋く、個人的にはかなり良い感じでまとまっていて好きです。
ヘッドバンドも上位機種と同じように可動式ヘッドバンド採用で、通常のようにイヤーパッドの位置を調整するのではなく、ヘッドバンドが頭の形に合わせて上下する仕組みです。
外観は廉価ながらAKGっぽさが伝わる感じです。
重量も200gとサイズ感の割に軽量で、着け心地の軽さに一役買っています。
AKG K72 5段階音質レビュー
AKG K72 5段階音質レビュー
音質 :
装着感:
遮音性:
音の傾向:フラット
得意な音楽:万能
音場感(音の広がり、定位感):普通~良好
音質はフラットで、特に中音域が際立つ
印象です。
基本フラットですが、AKGにしてはややリスニング用途向けに寄せた感じの多少ドンシャリ感を感じるものの、そこまで音質のバランスは極端ではなく楽しく聴くための味付けという感じです。
一方解像度については、AKGならという期待はありましたが、残念ながら音の輪郭を捉えきれずにややぼやけた印象があり今ひとつです。
また廉価な密閉型ヘッドホンにありがちな籠り感が感じられ、密閉型の悪い点が拭えていない印象です。
一方音場感については大型ドライバと大型ハウジングの恩恵そこそこの臨場感があり、悪くはないです。
遮音性については、密閉型の割に周囲の音も結構拾う傾向で、そこまでの遮音性はありません。(AKGの密閉型ヘッドホンはおしなべて遮音性は低い一方で閉塞感が少な目です。)
おすすめのジャンルは、中音域が際立つことからポップスがおすすめで、女性ボーカルは中々良い感じに聞こえてきます。
解像度はあまり高くありませんが、低音そこそこ出て、高音も耳に刺さらず疲れない音なので、モニター用途よりはリスニング向けが良いです。また音場感も悪くないので、映画、ゲーム用途も有りです。
AKG K72 装着感について
装着感は、本体が軽量、かつ大型のイヤーパッドのゆったりした付け心地も相まって良好です。
AKG特有の可動式ヘッドバンドと、ゆるめの側圧でAKGのふわっと耳が覆われる感じの快適な装着感はエントリーモデルでも健在です。
ゆったりとした装着感の反面で、フィット感はまずまずというところですが、長時間のリスニングにもおすすめできる装着感です。
大型イヤーパッドは眼鏡との相性も良いので眼鏡をかけている方にもおすすめです。
AKG K72 良い点、悪い点
●良い点
- 高音、低音が耳に触る感じは無く、長時間のリスニングでも疲れない音
- 安価ながら大型ドライバー搭載で、大径ハウジングの快適な装着感
- AKGの伝統が感じられる外観とシックな配色
●悪い点
- 解像度はそれほど高くなく輪郭がぼやける印象
- AKGらしい中~高音の品の良さは感じられず
総評としてはフラットで聞きやすい音+快適な装着感で長時間のリスニング用に向いているヘッドホンです。見た目もシックな配色が筆者好みです。
ただ残念ながら音質面では解像度の粗や籠る感じが否めず、廉価版の印象をぬぐえませんでした。
ゲーム、映画用途では悪くないですが、冒頭で書いた通りあと数千円で上位機種のK240S(セミオープン)やK271(密閉型)に手が届き、これらは同価格帯の製品中でも破格のコスパで、AKGらしい中~高音域を体感できる製品で、音質を求めるならこちらが一押しです。
その他の、同価格帯で筆者が選ぶおすすめヘッドホン10選も下記リンクで紹介していますので、興味がありましたらこちらをどうぞ!
(関連記事)
【2023厳選10選】五千~一万円のおすすめ有線ヘッドホン10選【コスパ最高】