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ヘッドホンレビュー

【レビュー】SHURE SRH1840 SHURE至高の一品。HD650との違いは?

今回はSHUREのハイエンドヘッドホン SRH1840 をレビューします。

本機はSHUREのハイエンドヘッドホンで、発売から10年ほど経過するロングランモデルです。数年前に新パッケージ版が発売しており、新パッケージと旧パッケージの違いは新パッケージには2年保証が付くだけで、製品自体に変化はありません。

結論としては「自然なサウンドで高音質」を売りにするSHUREのハイエンドヘッドホンにふさわしい素晴らしい音質で、お値段張りますがその価値ある製品です。

開放型のハイエンドヘッドホンということで対抗馬のゼンハイザーHD650を強く意識していると思われるモデルですが、本記事で徹底比較をしていますのでご覧ください。



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SHURE SRH1840 製品スペック

メーカ:SHURE シュア
タイプ:ダイナミック開放型
重量:約268g
インピーダンス:65Ω
感度:96dB
コード長:2.1m両出しストレートコード
参考価格:60000円


SHUREのヘッドホンというとプラスチッキーで実用重視というものが多かったのですが、本機はハイエンド機ということもあり、かなり質感に優れるデザインです。各社様々なヘッドホンがありますが個人的に質感、デザインはトップクラスに良いと思います。

 

公式HPによると、金属製のアーム部はエアクラフト・グレード(航空機グレード)のアルミ合金とのことで、なにやら凄みを感じます。

厚みは薄いですが剛性感のあるアームと側面を覆うステンレスメッシュ構造で、重くなりがちなハイエンドヘッドホンとしてはかなり軽量な268gの重量を実現しており、質感と装着感を両立しています。

インピーダンスは65Ωと高くは無いですが、音量は比較的取りづらいのでヘッドホンアンプが欲しいです。(このクラスのハイエンドヘッドホンはアンプは欲しいです)

SHURE SRH1840 5段階音質レビュー 

音質 :★★★★★
装着感:★★★★☆(4.5)
遮音性:★★☆☆☆
音の傾向:フラット(やや高音寄り)
得意な音楽:万能
音場感(音の広がり):◎(最高レベル)

試聴してみた感想としては、さすがはハイエンドヘッドホンだけありミドルクラスのヘッドホンとは違う…と思わされます。

音質はフラットで自然な音質ですが、フラットな音質とは言え決して退屈感は無く、輪郭がくっきりとした鮮やかな音と広い音場感で、無理にドンシャリしなくとも音楽を聴くことを楽しいと感じさせてくれる魅力があります。

低音~高音まで非常にバランス良く出ますがどちらかというと低音を抑えて中~高音の見晴らしを良くした印象で、とにかく淀みないクリアな音を出してくれます。

特筆すべきは広い音場感で、フルメッシュハウジングの音の抜けの良さもあり、屈指とも言える音場感です。ここまで明確に音がイヤーカップの中で立体的に響く音場感は中々他のヘッドホンでは味わえない感覚で、本機の魅力の一つです。

SHUREのヘッドホンは、音楽制作現場を想定したモニターヘッドホンが多くラインナップされており、本機にもその傾向は受け継がれている印象です。

本機はモニターヘッドホンと銘打たれてませんが、持ち前の高解像度と自然な音質でモニター的にも十分使える一品です。解像度も抜群で、クリアで見晴らしの良い音の恩恵で音の輪郭がかなりシャープです。

得意な音楽は持ち前の自然な音質でロックからクラシックまでどんな音楽でも聴ける万能型ですが、どちらかというとロックより繊細なジャズ、クラシックのほうが持ち味の中~高音の美しさが活きると思います。

また音の見晴らしの良さと高解像度という観点ではEDM等の打ち込み系の音楽との相性も良く、広い音場感と相まって音の洪水を楽しめます。

SHURE SRH1840 装着感について

ハイエンド機は高音質と引き換えに重くなる機種が多いですが、本機はミドルクラスヘッドホン並み(もしくはそれより軽い)ため、着け心地は良好です。側圧も強すぎず弱すぎずで、イヤーカップのフィット感も良好なため、装着感はかなり良い部類です。メガネとの相性も良好です。

ハイエンドヘッドホンは重たい機種が多いため、装着前に心持ち気合をいれる必要がある機種もあります(Beyerdynamic T5p等)が、本機はかなり気軽に装着できるハイエンドヘッドホンです。

上記で比較したHD650もハイエンド機としては軽量ではありますが側圧がやや強いため、本機の方が快適で、装着感はこちらに軍配が上がります。

弱点としてはヘッドバンドの素材が劣化に弱く、ぼろぼろになりがちなので注意です。(筆者のヘッドバンドも経年劣化で傷んでいます、、)別売りのヘッドクッションで保護する等の対策をしても良いと思います。

HD650との比較

ライバル機種として意識されたであろうHD650と比較すると、かなりHD650を意識したのではと感じました。開放型、フラットな特性、高解像度という共通点もありかなり似ています。

曲のジャンルによっては違いを見出すの難しいレベルで似ていますが、何が違うのか聞きこんでみました。

・低音の量はHD650の方が多い。SRH1840は比較的低音は控えめ
・音場はSRH1840の方が広い
・音の抜けはSRH1840の方が良い(HD650は開放型の割に抜けはイマイチ)
・音の密度感はHD650の方が濃い。SRH1840はややあっさり

上記の通り、低音の量感はHD650の方が豊かで、それに伴い音の密度感はHD650の方が迫力があります。

一方SRH1840はやや表現があっさりしていますが、音の抜けは優れており、空間表現に優れています。低音が控えめな反面音の見晴らしがよく、モニター的使い方にも向くのはこちらです。

ざっくりまとめると、広い音場感と空間表現を重視する場合(またはモニター的に使う場合)はSRH1840で、低音の量感と音の密度感が欲しい場合はHD650という感じでしょうか。

どちらも素晴らしいヘッドホンで甲乙つけがたいですが、筆者的にはしっかりと音楽を聴きこむ場合はHD650で、BGM的に音楽を聴きたい場合はSRH1840という感じで使い分けています。

SHURE SRH1840 良い点、悪い点

  • 良い点
    • フラットかつ高解像度で自然なサウンド
    • 開放型の長所を生かした抜けのある音で、抜群の音場感
    • ハイエンド機にしては軽量で良好な装着感
    • 高級感があるデザイン
  • 悪い点
    • ヘッドバンドの耐久性に難あり

総評としてはかなりHD650を意識したヘッドホンという印象ですが、HD650の対抗馬になりうる素晴らしいヘッドホンでした。

HD650に比べるとあっさりした音作りですが、音の抜けが今一つなHD650と比較して本機は開放感が素晴らしく、音楽の空間表現は素晴らしいです。ハイエンド機にしては軽量で装着感も悪くないので、気が付けばかなり使用頻度が高い一品です。

価格は高いですが、質感、音質共に価格に見合う満足感を得られる製品です。HD650と同様ミドルクラスからハイエンドヘッドホンへのステップアップ機としてもおすすめです。

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