今回はQCY H3をレビューします。
ワイヤレスヘッドホンというと有線ヘッドホンに対し同価格だとどうしても音質面で劣る印象ですが、近年かなり音質的にも良いものが多く現れ、コスパに優れた製品が多く出てきている印象です。(いい時代になりました)
そんな中でも本機はamazonのワイヤレスヘッドホン売り上げランキング上位で、1万円を切る製品としてはかなりコスパ良好と話題で、実力を確かめるべくレビューしてみました。
(参考記事:5千円~一万円で買えるおすすめワイヤレスヘッドホン5選 比較記事)
下記に本製品を含む、おすすめワイヤレスヘッドホン5選を比較しています。自分に合う製品が見つかると思いますので、下記記事も参照ください!
【徹底比較】五千円~一万円で買える!高コスパなワイヤレスヘッドホン厳選5選
QCY社とは?中国有数の大手電子機器メーカー
QCY社については筆者は詳しくなかったので、この機会に調べてみました。
QCYは中国に本社がある中国有数の電子機器メーカーで、オーディオ専門メーカではないものの、日本の村田製作所や三菱と言った企業とも提携する企業です。
これまでは有名メーカに部品提供や、OEM等を提供していたようですが、自社ブランドでbluetoothの製品を立ち上げた結果、完全ワイヤレスイヤホン業界では現在世界5位のシェアを誇っているようです。
元々他の有名メーカにOEMとして供給してきた品質を自社ブランドとして生産するようになったこともあり、破格のコスパを実現したとのこと。近年イヤホンやヘッドホンでQCYの名前を聴くなったのはこのような背景があるようです。
QCY H3 製品スペック 外観レビュー
メーカ | QCY |
---|---|
タイプ | ダイナミック密閉型 |
重量 | 260g |
ノイズキャンセリング | 有り 外音取り込みモード有り |
専用アプリ | 対応 |
有線接続 | 可能 |
連続再生時間 | 60時間 (ノイズキャンセリング時35時間) |
参考価格 | 6000円 |
製品の箱は小さめで、安価な価格もあり小型のポータブルヘッドホンか?と思いましたが、実は下のように折りたたんで収納されていました。持ち運びの際はコンパクトにたためます。
広げるとしっかりフルサイズのワイヤレスヘッドホンのサイズ感です。そこそこの重量感も相まってこれは本当に5000円台のワイヤレスヘッドホン?と感じるほどの作りの良さを感じました。
外観は黒一色でシンプルですが、なかなか洗練されているイメージで安っぽさは感じません。本機は色違い品も販売されており、ネイビーブルーとホワイトも選択可能です。
ノイズキャンセリングに対応しており、側面のボタンを押すことで、ノイキャンON/OFFをワンタッチで切り替え可能に加え、外音取り込みモードも搭載しています。ハウジング側面の小さな穴は外音取り込みモードの穴と思われます。
また専用アプリ対応でイコライザーの切り替えやカスタムも可能で、この価格ながら必要な機能はすべて備えている製品です。
有線接続用のコードが付属しており、有線での再生も可能です。ハイレゾ対応ですが、ハイレゾ再生は有線接続時のみ対応という点に注意です。
(そもそも音源と再生プレーヤーがハイレゾ対応していないといけないのでハイレゾ対応の恩恵を受ける機会は多くないです。ハイレゾ対応=高音質というわけでは無いので注意)
QCY専用アプリについて
本機は5000円台の価格ながら専用アプリ対応です。専用アプリで
- イコライザーで音質調整(ポップ ベース ロック ソフト クラシック +カスタム)
- ノイキャン切り替え(ノイキャンON/OFF、外音取り込み)
- その他設定(ゲームモードON/OFF、電源オフタイマー)
の設定が可能です。イコライザーは5種類+カスタムが使用可能で、あるイコライザー(下記ではソフト)を選択した状態でカスタマイズボタンを押すと、そのイコライザーの設定を読み込みながらさらに微調整できます。
ノイキャンは側面のボタンでワンタッチで切り替えられますが、アプリでも変更できます。
ゲームモードでは遅延を抑えることが可能です。また電源オフタイマーは時間がたつと自動で電源が落ちるモードです。※音楽再生していても問答無用で落ちるので注意。
この価格でこれだけ充実した機能を搭載しているのが魅力です。
QCY H3 5段階音質レビュー
QCY H3 5段階音質レビュー
音質 :
装着感:
遮音性:
音の傾向:ややドンシャリ(イコライザーで調整可)
得意な音楽:ロック、ポップス
音場感(音の広がり、定位感):普通~良い
電源を入れるとブルートゥースにすんなり接続できました。
音楽を試聴してみた感想としては5000円台のワイヤレスヘッドホンということで期待値は高くありませんでしたが、中々良い感じの音で、良い意味で期待を裏切られました。
音質自体には癖は無くフラット寄りの音質ですが、ややドンシャリで低音が強めです。ただし、専用アプリのプリセット「ソフト」でかなりフラット寄りになりバランスが良くなる印象です。
音質はクリア系というよりは、低音が強く、高音は耳当たりが良く聴きやすいウォーム系の音で、BOSEっぽい系統の印象です。元気の良い音作りで特にロック、ポップスとの相性が良いです。
低音強めですが、高音もそれほどキンキン鳴らないウォームな音は耳当たりが良いので聞き疲れは少なく聞ける機種です。
解像度については、音作り的にも音の輪郭がやや低音に埋もれがちで、ここは価格なりという印象。ジャズ、クラシックをしっとり聞くような用途は△ですが、カジュアルに音楽を楽しめる音作りは悪くないです。
音場感についても普通~良好な部類で、この価格の密閉型ヘッドホンとしてはそこそこの音場感です。安いヘッドホンにあるような耳のそばで鳴っているような感覚は無く、それなりの定位感を感じられます。
QCY H3 装着感について
装着感については総じて良好です。
イヤーカップはそこまで大きくない反面、耳にフィットする感じでフィット感が良いです。頭頂部のクッションとイヤーカップ3点でしっかりホールドされる感覚で、頭からズレる感覚がほとんどありません。
側圧もそこまで強くなく、眼鏡との相性も良好です。欠点としてはフィット感は良いですが、イヤーカップが狭めで、かつ密閉型なので長時間使用すると多少蒸れる感はあります。
QCY H3 良い点、悪い点
●良い点
- 低価格ながら専用アプリ、ノイキャン完備。音質も〇
- BOSEっぽい楽しく音楽を聴ける音作り。装着感も良い
- 安価ながら作りが良い
●悪い点
- (イコライザー無し時)低音偏重気味
- 長時間の使用は多少蒸れる
総評は価格を考えるとかなりのコスパです。競合はANKER Soundcore Q30を意識していると思われ、機能や音作りにかなり似通ったものを感じます。
ただ価格差はあり、同レベルの製品をこの価格で出してくるあたり、コスパはAnker Soundcore Q30以上と思います。
欠点としては低音がやや強めなのが多少気になりますがイコライザーでプリセットの「ソフト」にすると楽しく聴ける音はそのままに、強い低音が良い感じでバランスされるので個人的にはおすすめです。
(参考記事:Anker Soundcore Q30レビュー記事)
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