今回はMaster & Dynamic MW65をレビューします。
本機はスタイリッシュなヘッドホンで知られるMaster & Dynamic社のハイエンド機にあたるワイヤレスヘッドホンです。
とにかく見た目がお洒落なヘッドホンで、以前からMaster & Dynamic社の製品が気になっていましたが、見た目だけではなく音質はどうか?と思い今回レビューしてみました。
結論としては、デザインだけでなく音質も素晴らしいで製品で、低音重視で元気な音作りの製品が多いワイヤレス機としては珍しく、上品でクリアな音作りが際立ちます。
ゆったりと耳障りの良い上品な音を楽しめるので、作業用ヘッドホンとして一押しです。
〇Master Dynamic社について
Master & Dynamic社の名前は近年耳にしますが、比較的新しいブランドですが詳しく知らなかったので調べてみました。
公式サイトによると、2014年にニューヨークで設立されたプレミアムオーディオブランドで、長く愛用できるデザインに、最高品質の素材を組み合わせ、強度、快適さ、音響、そして創業者jonathanの美学を加えた、最良のバランスの製品を提供し続けているとのこと。
デザインと音にこだわったブランドというイメージがありましたが、素材品質や、強度、快適さといった実用面にもこだわっているようです。
Master & Dynamic MW65 製品スペック 外観レビュー
メーカ | Master & Dynamic |
---|---|
タイプ | ダイナミック密閉型 |
重量 | 245g(コード含まず) |
インピーダンス | 32Ω |
コード長 | 1.5m※有線接続可能 |
ノイズキャンセリング | 有り(hi low 2モード) |
再生時間 | 約24時間 |
参考価格 | 49800円 |
開封するとこんな感じに製品が収まっています。下の段がケーブル類や小物が入っており、専用ポーチが付属します。
製品の外観は随所に金属感が感じられ豪華です。競合のソニーやボーズの製品は作りは良いものの全体としてプラスチッキーな感じがぬぐえませんが、本機はかなり高級感があります。
金属の部品が多くみられるわりに重量は245gと抑えられている印象です。(SONY WH-1000XM5は250gなのでむしろやや軽い)
なお側面がパンチ模様なので一見開放型に見えますが、穴が開いているわけでは無く密閉型のヘッドホンです。
R側のボタンはボリューム調節と、再生/停止ボタン。
左側の電源スイッチで、ON/OFFが可能です。長押し式だと電源が切れていなくて電池を消費することがあるのでスイッチ式は個人的に◎です。
ハウジング側面の赤いボタンでノイキャンLOW/HI/OFFが切り替わります。ノイキャンはOFFにすると周囲の音を拾いますが、周囲の音が聞こえるスルーモードはありません。
ノイキャンの効きについてはそこまで強くなく他社製品の、ONにすると完全に静寂に包まれる感じと比べると、HIにしてもそこまで強烈に聞いている感じはありません。
とは言えOFF時と比べると明らかに周囲の音をカットしているため、電車移動中などでは効果を発揮しそうです。
なお本機は専用アプリは無いため、イコライザーで音質調整等は不可です。
Master & Dynamic MW65 5段階音質レビュー
Master & Dynamic MW65 5段階音質レビュー
音質 :
装着感:
遮音性:
音の傾向:フラット
得意な音楽:万能
音場感(音の広がり、定位感):良好
ペアリングはPCで試しましたが、問題なくスムーズにペアリングできました。
外観が良いのは見ての通りですが、ソニーやゼンハイザーのような大手ではなくプレミアムブランドなので音質はどうかな?と思いましたが、音質もしっかりと価格に見合うクオリティです。
音質はかなりフラットでナチュラルです。モニターヘッドホンとしても使えるレベルの原音忠実さで、とにかくバランス良好です。
音の傾向としては、かなり上品で、クリアさが際立つサウンドという印象です。BOSEのQC45などは低音重視の楽しく音楽を聴くためのヘッドホンですが、本機は対照的に上品な音です。
低音好きな方には低域が物足りなく感じるかもしれませんが低音も不足している感じは無く、出しゃばらない程度に必要十分出ています。
解像度は明瞭かつクリアな音づくりもありかなり高めで、音の見通しの良さはピカイチです。フラットで高解像度というとモニターっぽい感じもありますが、モニターヘッドホンのように高音のエッジが立っているわけではなく、高解像度ながら聞き疲れしないサウンドです。
得意な音楽は、持ち前のフラットな音質でロック、ポップス、クラシックなんでもござれの万能選手ですが、どちらかというと上品な音作りなので、クラシックや、ラウンジミュージックを楽しむ方がベストマッチで、作業用ヘッドホンとして秀逸です。
音場感は小型のハウジングなのでどうか?と思いましたが中々の定位感があります。かなり広いというほどではありませんが見た目より広く、良好と言えるレベルです。
ワイヤレスヘッドホンはBOSEやSONYを筆頭にウォーム系の低音が売りのヘッドホンが受けている印象ですが、本機は珍しくかなりナチュラルかつクリアな上品サウンドが特徴で、こういうのが欲しかった!という人もいると思わせる製品です。(筆者含め)
刺激はそこそこで聴きやすいので、お洒落な外観もあり喫茶店などで作業をすればかなり自分に酔えること請け合いです……!
Master & Dynamic MW65 装着感について
装着感については、公式サイトにはオーバーイヤー型とありますが、イヤーパッドの空間内はぎりぎり耳が収まる程度のスペースで空間内は狭いです(はじめはオンイヤー気味に使っていました)
このため、耳の中が蒸れる感があり、夏場の長時間は厳しいです。
側圧はそこそこありますが、程よい塩梅できつい感じはありません。イヤーパッドはクッション性に優れた素材で、肌触りは良いので空間内の窮屈さを除けば装着感は悪くないです。
ただ眼鏡との相性は△で、眼鏡をしている筆者としては長時間は辛くなってくるのが残念です。(筆者は眼鏡ずり落ち防止用のリングを愛用していますが、これが挟まれて痛くなります)
なお耳にすべて被せずオンイヤー気味に装着も可能ですので、この方が眼鏡との相性が良い感じがあります。
ネックバンド部もクッション性があり頭頂部は快適です。MASTER&DYNAMICの刻印があります。
Master & Dynamic MW65 良い点、悪い点
●良い点
- ワイヤレス機には珍しい上品かつクリアなサウンド
- モニター用途にも使えるレベルのフラットな音質+高解像度
- 唯一無二のデザインと質感
●悪い点
- イヤーパッドが小型で装着感が惜しい(眼鏡と相性が△)
- 専用アプリ(イコライザー)が無い
総評としては、見た目はもちろん、見た目だけではなく音質もしっかりハイエンドクラスのサウンドをしっかりと備えている製品です。
なにより低音重視の機種が多いワイヤレスヘッドホンの製品群のなかで、ここまでバランスの良いフラットかつ上品サウンドの製品は貴重です。
Master & Dynamicの製品は初使用でしたが、デザインはもちろん音作りもかなり筆者好みで、今後も注目したいと思いました。
欠点は装着感が惜しく、メガネとの相性が今一つな点と、専用アプリが無くイコライザーで音質調整が不可な点です。個人的にはイコライザーでいじるまでもなく良好なバランスなのでMUSTではないですが、細かく調整したい人は注意です。
やや気になるところははありますが、唯一無二の見た目やクリアな音質等、他社にはない魅力があるヘッドホンなので、これだと思った方にお勧めです。
- とにかく見た目が気に入った!
- 低音は重視せず、クリアで品の良い音を楽しみたい
- 専用アプリが無くても良い(イコライザー不要)